高安が大関昇進目安クリア!大相撲5月場所12日目

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■高安が大関の目安クリア

 大相撲5月場所12日目、高安があっさり10勝を達成し、大関昇進の目安である3場所合計33勝のノルマを達成させた。あと1番、2番勝ち星を増やすことができれば、誰一人文句を出すこともなく大関昇進が可能だろう。高安にとって2回目の大関昇進挑戦の場所となり、硬さが出ることも考えられたが、淡々と勝星を重ねていった。

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 先場所同様序盤で勝ち星を積むことができたのが大きな要因だろう。それにより中盤で土を付けられることがあっても終始落ち着いて自分の相撲を取ることができた。今場所は兄弟子である稀勢の里の怪我が完治しておらずファンがため息を出してしまうような展開が続いた。しかし、高安の奮闘はそれを吹き飛ばす要素であることは間違いない。

 今のところ全勝の白鵬とは2つの星を離されており直接対決も終わっているため優勝は絶望的と言ってもいい。それでも今場所の高安は日本人力士をけん引してくれたことには違いない。

■宇良の善戦

 日本人力士の活躍を語る上では宇良も忘れてはいけない。幕内の比較的前半の取り組みから人気力士である宇良が勝ち星を重ねてくれているためファンは土俵上にくぎ付けになったことだろう。いつ珍しい技が出るのかワクワクしながら相撲を見るのはやはりいいものだ。

 十両では多彩な技を駆使して活躍した宇良も、幕内に上がれば並みの力士になってしまうのではないかと危惧していた。しかしその予想を見事に覆してくれる成績を残し、中堅力士とも対等に戦えることを証明した。残り3番の結果にもよるが3賞獲得は十分考えられることで、さらに三役付近まで成績を伸ばすことが予想される。

 相撲ファンにまた一つ相撲の魅力を存分に伝えられる力士が育ってくれたことをありがたく思う。

■やはり一番上に君臨する白鵬

 そんな日本人の台頭に待ったをかけるのがやはり白鵬だろう。今場所の優勝はまだ決まっていないが、ここまで12連勝を果たし、「やはり白鵬は強い!」という感覚を戻してくれた。横綱が強いと金星の重みが一段と増し、相撲は面白くなる。

 今場所の横綱は2強2弱(鶴竜は早々に休場してしまったが)となってしまったが、来場所は4人全員が万全の調子で土俵に上がってくれることを切に願う。そして大関陣も「大関であるからにはたとえ相手が横綱と言えど負けていいわけではない」と奮起してほしい。

 もちろんその中に新大関となる高安の名前があることを願う。また、昨年は稀勢の里が、優勝無しに獲得したことで「年間最多勝利」が今まで以上にフォーカスされた。来場所あたりからはそちらの行方にも注目していきたい。