アップルの自動運転車、公道を走る・テスラのトラック・イーロン・マスクのトンネル事業が新交通機関構想に #egjp 週末版78
 
※シリーズ名を"画像ピックアップ"から"#egjp 週末版"に変更しました。

1週間のあいだに拾いきれなかったニュースをダイジェスト形式でお伝えします。今週はアップルとテスラに関する電気自動車/自動運転車がらみの話題が多く出ていたので、それらをまとめました。

アップルの自動運転車、公道を走る

 
先日カリフォルニア州車両管理局(DMV)の情報から明らかになったアップルの自動運転車が、シリコンバレーの公道を走り始めました。車種はGoogleの自動運転テストカーと同じ白のレクサスRX450hですが、ルーフのLIDARセンサーがGoogleのそれより高い位置に取り付けられているのが外観上の大きな違いです。

また、フロントフェンダーのセンサーこそしっかりとカウリングをまとっているものの、前後バンパーのレーダーなどはアップルらしからぬとってつけた感のある仕上げ。いずれのセンサーもカスタムメイドではなく、市販品を使用していると専門家は指摘しています。
昨年夏、自動運転EVの自社開発が遅々として進まなかった状況に、アップルは実績あるベテラン幹部のボブ・マンズフィールドをリーダーとして投入、開発範囲を自動運転システムのみに絞り込みました。

Bloombergによると、この方針変更に前後してアップルはフォルクス・ワーゲンやBMWなどと自動運転技術のライセンス提供について話し合いの機会を持っていたとされ、それがどんな格好で今後の開発に影響してくるのかも気になるところです。

[Source : Bloomberg]

アップルとテスラ、カリフォルニア州に無人自動運転車の走行許可を提案

DMVが、アップルとテスラとその他の自動運転車開発企業らからの提案を受け、自動運転テストカーの無人公道走行について検討を開始する見込みです。

アップルはまた、DMVに対してドライバーが自動運転AIに変わって操作をしなければならない状況について詳しい定義を求めたとされます。これは、たとえば通常なら警察もわざわざ検挙しないような軽微な道路交通法違反すら自動運転のテストでは許されず、生身のドライバーがリカバーしなければならない状況への改善を求めてのことであり、これによってアップルはやむを得ず軽微な違反に至るような状況を含む、より詳細かつ正確な走行データを取得できるとのこと。

アップルとテスラはまた、政府に対しても長距離トラックのような大型車両の自動運転化についての許可を求めています。

一方、Google(Alphabet)傘下の自動運転開発企業WaymoはDMVに対し、自動運転車がらみで事故が発生した際、過失度合いにかかわらず自動運転側も責任を追わなければならないという内容の法案を承認しないよう呼びかけ、Uberは自動運転テスト車の乗客にも運賃を支払ってもらえるよう請願書を提出しています。

自動運転の開発も入りつつあるなか、既存の法の枠組みではカバーしきれないところで各社それぞれの思惑が表面化しつつあるようです。
[Source : Reuters]

イーロン・マスク、テスラの電動トラックをチラ見せ。秋に正式発表予定

 
4月28日のTEDカンファレンスに登場したテスラCEOイーロン・マスクが、この秋に発表予定とする電動トラックのシルエットを公開しました。一見すると凹凸の少なそうなデザインを採用している模様で、イーロン・マスクはその走行性能について「スポーツカーのようにわざとスピンさせること(ドーナツターンのこと?)もできる」と説明しています。

先の話題で紹介したとおりテスラは現在、政府に対して長距離トラックの自動運転使用の許可を求めています。その前提として、このトラックへの自動運転機能の搭載もあることは間違いなさそうです。

[Source : TechCrunch]

イーロン・マスクのトンネル事業が新しいライド式輸送システム構想を発表

ロサンゼルス国際空港からSpaceX本社へ向かう道路の渋滞に苛立つイーロン・マスクが、本気でトンネルを掘り始めると宣言したのは2016年の暮れのこと。当初はマスク氏一流のジョークかと思われていたものの、後に掘削機を購入して本気で穴を掘ると言い出したのはご存知のとおり。

ただ、それでも多くの人がSpeceX行きの自動車専用のトンネルを作るんだろうなぐらいに捉えていたはず。ところがイーロン・マスクはその発想のさらに斜め下を掘り進んでいました。

今回公開されたトンネル会社"The Tunnel Company"の映像は、路肩にあるパーキングメーター式駐車エリアのような場所に自動車を入れるとそれがエレベーター式に地下のトンネルへと降りてゆき、そのまま自動車用ライドとしてトンネル内を走り始めるという、まったく新しい交通システムのコンセプトを紹介するもの。ライドはスロットカーのようにガイドにしたがって走行するので、自動車のドライバーは何もする必要はありません。

またライドには自動車だけでなく、乗合バスのような車体も用意され、自動車と歩行者を分け隔てなく輸送することができます。

なるほど、これなら渋滞もなければ事故の心配もなさそう。というか、開発が進みつつあるHyperloopに比べてもはるかに未来適かつ実用的に思えます。もちろんこれはコンセプト段階なので、たとえばどのようにして行き先をライドに伝えるのか、非常時の脱出方法がどうなっているのかといった疑問についてはまだこれからの話の模様。

それよりも、トンネルをSpeceXの敷地から外へ掘り進めるためには、まずロサンゼルス市など関係各所から許可を得なければなりません。

[Source : The Boring Company]

テスラ、MC後のModel S/Model Xに自動緊急ブレーキ機能を提供開始

 
自動緊急ブレーキ機能(AEB)の欠如を指摘され、米Consumer Reports(CR)誌に評価ランキングを下げられたマイナーチェンジ後のテスラModel S /Model Xに、テスラがOTAアップデートを開始、指摘のAEB機能を搭載し始めました。ただし、マイナーチェンジ前は90mph(145km/h)だった適用速度は28mph(45km/h)と大幅に低下しているため、以前のモデルを知っているドライバーは特に注意が必要かもしれません。

テスラは将来のアップデートでAEBをより高い速度域に対応させていくとしています。CR誌はテスラがAEBを搭載すれば、一旦は下げた誌上ランキングを元に戻すとしていました。

[Source : Consumer Reports]