(写真提供=SPORTS KOREA)

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とあるスター選手の帰還に、韓国球界が沸いている。かの国の野球ファンたちを歓喜させているのは“ビッグボーイ”の愛称で知られるイ・デホ(李大浩)だ。

かつてオリックス・バファローズやソフトバンク・ホークスなど日本球界でも活躍したスラッガーは、2016年から挑んだメジャーリーグ挑戦を1年で終わらせ、古巣の釜山ロッテ・ジャイアンツと契約した。

1月30日にはソウルのロッテ・ホテルで入団会見に姿を見せたが、会見場には大勢の取材陣だけではなく、ロッテ・ジャイアンツのファンたちも駆け付けたというのだからその歓待ぶりがわかるだろう。

韓国プロ野球史上、最高額

契約条件は4年150億ウォン(約15億円)。

年平均だと37億5000万ウォン(約3億7500万円)とソフトバンク時代(推定5億円)と比べると落ちるが、それでも韓国プロ野球史上最高額だ。

これまで年俸キングだった元千葉ロッテのキム・テギュンの記録をはるかに更新してしまったのだから、韓国におけるイ・デホのバリューの高さが伺える。
(参考記事:こんなに違う!! 日韓プロ野球の選手年俸比較

それにしてもイ・デホの韓国復帰は電撃的だった。

前述した通り、日本球界で活躍したあと、昨年はメジャーリーグのシアトル・マリナーズに所属。複数の韓国メディアの報道によると、当初は今季もメジャーリーグでのプレーを希望していたという。

とはいえ、シアトルでは併用起用されることが多く、記録も104試合出場で打率2割5分3厘、本塁打14本、打点49どまり。

そのため今季はフルタイムのポジションが保証された球団との契約を望み、エージェントを通じて新たな所属先を物色していたらしい。

「名誉回復のためにもメジャー挑戦を続行させたい気持ちがあった」と、関係者も語っている。

同時に韓国メディアの報道によると、日本球界からも誘いがあった。千葉ロッテ・マリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、阪神タイガースなどで、いずれも金銭的には好条件だったらしい。アメリカと違ってポジションも保証されていただけに、日本球界復帰に傾いてもおかしくなかったという。

ただ、アメリカ挑戦で得られる名誉や日本球界復帰で得られる金銭よりも、自主トレしていたサイパンまで来て口説いてくれたことで、古巣のロッテ・ジャイアンツへと心が一気に傾いたという。

イ・デホも記者会見で言っている。

「私も韓国の年で36歳。釜山ロッテはいつか帰らなければならないチームだった。釜山のファンたちにも会いたかった。今年でなければ、さらに数年後になっていた。ファンたちをこれ以上、疲れさせるわけにはいかなった」

特筆すべきはこのイ・デホの決断の引き合いとして挙がっているのが、日本の黒田博樹だとうことだろう。

メジャー球団からの高額オファーを断って古巣・広島カープに復帰した黒田の“男気”は韓国でも詳しく報じられてきたが、聯合ニュースなどはその黒田とイ・デホを重ね、「“黒田のように”イ・デホ、待ってくれているファンのために帰ってきた」としている。

人気チアガールが皮肉られるチーム状態

ちなみに、ロッテ・ジャイアンツは長らく低迷中。

イ・デホが在籍した2011年に2位になったこともあるが、その後は4位(2012年)、5位(2013年)、7位(2014年)、8位(2015年)、8位(2016年)と、万年Cクラスに甘んじている。

以前、取材させてもらった韓国No.1チアドルのパク・キリャンは、「ロッテ・ジャイアンツが優勝するまでチアリーダーを務めたい」と答えると、ファンから「じゃあ、おばあちゃんになるまで辞められないね」と返されてしまうこともあるらしい。

そんなロッテ・ジャイアンツを優勝に導くのは簡単ではないだろうが、イ・デホにはその前にやらなければならないこともある。

今年3月の第4回WBCでの活躍も期待されているのだ。

韓国メディアでは小久保ジャパンのチーム構成に関しては韓国メディアの間でもさまざまな意見が出ているが、2008年北京五輪、2009年と2013年のWBCなど7度の国際経験を誇るイ・デホは文字通り、大黒柱としての役割を担うことになる。

その圧倒的な能力から韓国で“マンチッナム”と呼ばれる大谷翔平との対決にも注目が集まるだろう。

いずれにしても6年ぶりに韓国球界に復帰したことで大きな注目を集めているイ・デホ。

はたして彼は黒田博樹やイチローのように、野球ファンが心震わせしびれるような大活躍を見せることができるだろうか。注目していきたい。

(文=慎 武宏)