ネット検索で急上昇。「真田丸」で注目の小山田茂誠役の高木渉ってどんな人?
3年ぶりに平均視聴率20%(第2回の放送分)を超え、好スタートを切った大河ドラマ『真田丸』(毎週日曜20時〜・NHK総合ほか)。堺雅人扮する信繁をはじめ、実直な兄、信幸(大泉洋)、真田家の当主として圧倒的な存在感を持つ父・昌幸(草刈正雄)など、個性豊かな真田家の面々のなかで、ひときわ異彩を放つ役者がいる。その人は、小山田茂誠(おやまだ・しげまさ)役の高木渉(49)。
声優として、テレビアニメ「機動新世紀ガンダムX」の主人公ガロード・ラン役をはじめ、『名探偵コナン』の元太と高木刑事の声を担当するなど、数々の人気作に出演してきたが、映像作品は、この『真田丸』が初めて。脚本家の三谷幸喜の舞台『桜の園』や、パペット・エンターテインメント『シャーロックホームズ』(NHK)に出演した経験が今回、大河ドラマへの抜擢に繋がった。信繁の姉、松(木村佳乃)の夫として第1回から登場し、岩殿城に向かう武田勝頼(平岳大)を笹子峠で追い返す、この日の“山場”で熱演。泣き崩れながら絶叫する高木の演技が注目された。
その初回放送の直後、「高木渉」の名前はインターネットの検索ワードとして急上昇。『真田丸』公式サイトの登場人物紹介ではクリック数1位を記録、とこれには局側もびっくりだという。さらに、24日放送の第3回では、信州の真田の郷に戻った信繁らの前に、処刑を免れた茂誠が突如現れる。鎧も刀もなく衣服はボロボロ、髪はボサボサ、という落武者姿は、またも視聴者の心をとらえた。
今回、女性自身では、第1回放送後に行われた囲み取材会でのインタビューをお届けします!
――番組ホームページの登場人物紹介でクリック数がダントツ1位。検索数でも上位になったと聞きました。この反響の大きさについて、どうお感じになっていますか?
高木:いやあ、もう、とにかくびっくりしましたね。『真田丸』のホームページが開設されて、僕の顔写真が出たときも結構、検索数が上がったらしいんです。僕は声優という仕事をしているので、アニメファンやゲームファンの方々が大河ドラマに注目してくれているのだなあ、とすごくうれしかったんです。それが、第1回の放送と同時に検索数がグンと上がっちゃった(笑)。1位真田丸、2位高木渉、3位飛んで、4位が武田勝頼……という感じでしょう。『真田丸』が、みなさんに注目されていると改めて感じました。
――まず、小山田茂誠役のオファーを受けたときの心境は?
高木:オファーを受けたときは、足が地についていませんでした(笑)。大河ドラマというものは、映像の俳優さんでさえ、20年、30年かかってもキャスティングされることが難しい作品です。なのに、僕なんかにオファーをいただけるなんて、と。プロデューサーからご連絡いただいたときは、耳を疑いましたね。僕は、今年50歳なりますが、この年で新しい経験をさせていただける機会もなかなかないですし。こんなありがたいことはないと思いました。反射神経は鈍くなってきましたが、賭けてやってみるか! と。同時に、三谷さんからもメールをいただいたりして。これは現実味を帯びて来たなあという感じでしたね。
――オファーが来たときの周囲の方々の反応は?
高木:発表されるまで誰にも言えませんでした。いつ変わっちゃうかわからないから、ずっとドキドキしながら(笑)。じつは、今回、矢沢三十郎頼幸役の迫田孝也君と僕、仲が良いですよ。『桜の園』という舞台で共演していたのもありまして。第一次発表のとき、2人とも名前がなくて、「もしかしたら、直前で変えられちゃうんじゃないか?」と心配になったり。迫田君から「僕たちは秘密兵器ですよ」とメールがきたり。僕は僕で「秘密で終わらなければいいけどね」と、そんなやりとりをしていたほどで、なまじ言えませんでしたね。
――発表されてからは?
高木:いよいよ来た! 浮かれてられないぞ! という感じでした。しっかりとお芝居していかないと。みなさん、そうそうたる俳優さんばかりですから。とにかく足を引っ張らないように、と。正式発表があったときは、身が引き締まるような思いでした。
――今回、ドラマ初出演で大河が初めてということですが、撮影に入ってから、それまで考えていたこと、想像していたことと違った点はありますか?
高木:声優の仕事は、現場に入ったときにはある程度作品ができあがっているんです。アニメーションにしても、30分なら30分の絵ができていて、それに順取りで声を入れていく。2時間もののアフレコでも1日で終えてしまうんです。そういう意味では、映像の世界は勝手が違います。今日、3話の4シーンをやったら明日は1話の13シーンを撮って、と。撮影も前後しますし、台本の1ページ程度の撮影でも数時間かかります。そういう場合の、「テスト!」「本番!」となった瞬間の集中力とか、それは、すごく違いを感じました。最初の撮影では、僕なんか、未経験なことばかりで。本来、自分の芝居をちゃんとやらなきゃいけないのにドキマギするわ、緊張してセリフを間違えちゃったり、「もう1回!」と言われたり。そういうギャップはありましたね。
――声優の世界では、高木さんはアドリブというのがみなさんに知れ渡っていますが、そういう余裕ってありますか?
高木:全然ないです(笑)。そんな余裕が早く出るようであればいいですけど、今回、三谷さんの本は、アドリブがいらないくらい計算されていますし、面白いですし。アドリブは必要ないと思います。
――松を演じられる木村佳乃さんとのシーンや、武田勝頼を裏切るときの笹子峠のシーンを見て、武将というよりもすごく人間臭くて。こういう武将もいるんだ? という印象を受けました。高木さんご自身は、茂誠をどういうふうに演じようと思っていたのか? 三谷さんや監督からこんなふうに演じてほしいという要望はあったのか?
高木:じつは、僕、小山田茂誠という人物をあまり知らなかったんです。信繁、信幸、昌幸といった、みなさんに知られているキャラクターをどう演じるか? となったら、それはプレッシャーがあったと思うんです。でも、僕にはそれがなかった。そういう意味では、ここから作っていけるのかなあと思いました。三谷さんにも「茂誠って、どんな人物なんですか?」と質問しましたが、「高木さんの、人のよさそうな感じが出ればいい。硬くなると面白みがなくなっちゃうから、自由にやってください」と。本読みのときにも、「もっと柔らかくふつうにやって。頑張らないでください」と言われました。なので、この茂誠に関しては、僕らしくやっていいのかなと思っています。名将ではないと言われていますし、人間っぽくやろう、と。役割としては、松と僕はいい夫婦で、真田家にいるとすごくあったかい空気が流れる。「イチャイチャしてるんじゃないよ!」みたいな、ほのぼのとする感じが出せることなのではないかなあ、と思っています。真田家が西方と東方に別れてしまっても、2人でいつも信繁を心配していて。信繁もそれが励みになるんですよね。そういう絆を作るのが僕らの役割だと思っていますし、そこを表現できたらいいなあと思います。
――松と茂誠は本当に微笑ましい夫婦ですよね。木村さんとこういうふうに演じようとお話されたりしましたか?
高木:木村さんも同じようにおっしゃっていました。松と茂誠が仲良しで、家族のなかで笑いが起きちゃうくらいの、あったかい空気を出せるような夫婦を作っていきましょうね、って。僕自身、映像が初めてだし、木村佳乃さんが奥さんだってだけでビビってるんですけど(笑)。そこを、佳乃さんがいざなってくれている。逃げるシーンになると、僕の腕をクッと掴んでくれたり。「行ってくるね」って手をあわせるときも、「私の手の上にこう乗せてね」って言ってくださったり。ふだん撮影じゃないときでも気にかけてくださるんです。前室にいるときも、とても明るくて、気さくで。みなさんから、ほのぼのしていていいねっておっしゃっていただけるのは、そういう佳乃さんの空気の賜物だと思っています。年齢的にも茂誠よりも年上で、姉さん女房だったそうなんですが、このドラマが終わるまでには、逆に、僕が引っ張っていけるような茂誠になっていきたいと思っています。
――第3回の放送で、すごい格好で登場するシーンは、作るのも大変だったのではないかと思いますが。
高木:誰かが言っていたのを聞いたんですけど、「あれが武士らしいね」って。あの時代って、人と会うときは必ず刀を携え、いつでも相手を刺してやるぞ、というくらいの緊張感があったわけじゃないですか。そのなかで、刀も何もかもなくなっちゃって、食べるものもない。輝かしい時代もあったら、どん底に落ちてボロボロになっている時代もあるという、まさに、あれが武士ですよね。そういう意味では、いいシーンをいただきました。ボロボロから這い上がっていく姿というか、本当に生きるのに必死だったんだと思います。
――この大河をきっかけに、今後も映像作品に出たいと思いますか?
高木:面白いですし、いろんなことをやりたいと思います。でも、今はこれしか考えられないですね、余裕がないので。みなさんのお芝居を見て、どんどん吸収して、自分らしさを出せるように。まずは『真田丸』一本ですね。
――これまで、テレビから流れる自分の声はたくさん聞かれてきたと思いますが、自分の顔が映像に出て、動いている姿を見たときの感想は?
高木:こっぱずかしいですよね(笑)。1話を見たときも、自分の芝居が本当に固いなあ、と。自分自身、見ていられないくらいこっぱずかしかった。みなさん、「笹子峠で絶叫する姿が感動した」と言ってくださいましたが、僕の芝居はただ固くて、あれは、監督の編集と三谷さんの本のおかげだと思っています。早く恥ずかしくならないようになりたいですね。
――今の若い世代の人で、声優に関心を持っている人も多いと思います。高木さんが今回、大河ドラマに出たことで、若い人も『真田丸』に関心を持つのではないでしょうか?
高木:俳優も声優も根本的に、“芝居する”ということでは同じだと思うんです。妙に声を作っても、それは上っ面で、ハートのある芝居をしないとお客さんには届かない。そういう意味では、声優も一つの役者だと思っているんです。だから、舞台もいっぱいやったほうがいいと思いますし、映像もチャンスがあったらぜひやったほうがいい。実際、大泉洋さんだって声優をやられているし、高畑淳子さんも草笛光子さんもずっと声優をやられていますよね。芝居という意味では、ボーダーラインがないんですよ。たとえ未経験のことでも、どんどん新しいものを吸収して、グローバルな人間になったほうがいいですよね。声優になりたい若い人たちも、ぜひ、そういうところに目を向けてほしいなあと思います。
――今後の松と茂誠の見どころについて
高木:たくさんありますが、茂誠が、松のことを思いながら自分と同じ匂い袋を作るシーンですかねえ。演出のかたが、「2人のアイテムを作ろう」とおっしゃって、急遽入ったシーンなんです。ぜひ、期待して見てください。
声優として、テレビアニメ「機動新世紀ガンダムX」の主人公ガロード・ラン役をはじめ、『名探偵コナン』の元太と高木刑事の声を担当するなど、数々の人気作に出演してきたが、映像作品は、この『真田丸』が初めて。脚本家の三谷幸喜の舞台『桜の園』や、パペット・エンターテインメント『シャーロックホームズ』(NHK)に出演した経験が今回、大河ドラマへの抜擢に繋がった。信繁の姉、松(木村佳乃)の夫として第1回から登場し、岩殿城に向かう武田勝頼(平岳大)を笹子峠で追い返す、この日の“山場”で熱演。泣き崩れながら絶叫する高木の演技が注目された。
その初回放送の直後、「高木渉」の名前はインターネットの検索ワードとして急上昇。『真田丸』公式サイトの登場人物紹介ではクリック数1位を記録、とこれには局側もびっくりだという。さらに、24日放送の第3回では、信州の真田の郷に戻った信繁らの前に、処刑を免れた茂誠が突如現れる。鎧も刀もなく衣服はボロボロ、髪はボサボサ、という落武者姿は、またも視聴者の心をとらえた。
今回、女性自身では、第1回放送後に行われた囲み取材会でのインタビューをお届けします!
――番組ホームページの登場人物紹介でクリック数がダントツ1位。検索数でも上位になったと聞きました。この反響の大きさについて、どうお感じになっていますか?
高木:いやあ、もう、とにかくびっくりしましたね。『真田丸』のホームページが開設されて、僕の顔写真が出たときも結構、検索数が上がったらしいんです。僕は声優という仕事をしているので、アニメファンやゲームファンの方々が大河ドラマに注目してくれているのだなあ、とすごくうれしかったんです。それが、第1回の放送と同時に検索数がグンと上がっちゃった(笑)。1位真田丸、2位高木渉、3位飛んで、4位が武田勝頼……という感じでしょう。『真田丸』が、みなさんに注目されていると改めて感じました。
――まず、小山田茂誠役のオファーを受けたときの心境は?
高木:オファーを受けたときは、足が地についていませんでした(笑)。大河ドラマというものは、映像の俳優さんでさえ、20年、30年かかってもキャスティングされることが難しい作品です。なのに、僕なんかにオファーをいただけるなんて、と。プロデューサーからご連絡いただいたときは、耳を疑いましたね。僕は、今年50歳なりますが、この年で新しい経験をさせていただける機会もなかなかないですし。こんなありがたいことはないと思いました。反射神経は鈍くなってきましたが、賭けてやってみるか! と。同時に、三谷さんからもメールをいただいたりして。これは現実味を帯びて来たなあという感じでしたね。
――オファーが来たときの周囲の方々の反応は?
高木:発表されるまで誰にも言えませんでした。いつ変わっちゃうかわからないから、ずっとドキドキしながら(笑)。じつは、今回、矢沢三十郎頼幸役の迫田孝也君と僕、仲が良いですよ。『桜の園』という舞台で共演していたのもありまして。第一次発表のとき、2人とも名前がなくて、「もしかしたら、直前で変えられちゃうんじゃないか?」と心配になったり。迫田君から「僕たちは秘密兵器ですよ」とメールがきたり。僕は僕で「秘密で終わらなければいいけどね」と、そんなやりとりをしていたほどで、なまじ言えませんでしたね。
――発表されてからは?
高木:いよいよ来た! 浮かれてられないぞ! という感じでした。しっかりとお芝居していかないと。みなさん、そうそうたる俳優さんばかりですから。とにかく足を引っ張らないように、と。正式発表があったときは、身が引き締まるような思いでした。
――今回、ドラマ初出演で大河が初めてということですが、撮影に入ってから、それまで考えていたこと、想像していたことと違った点はありますか?
高木:声優の仕事は、現場に入ったときにはある程度作品ができあがっているんです。アニメーションにしても、30分なら30分の絵ができていて、それに順取りで声を入れていく。2時間もののアフレコでも1日で終えてしまうんです。そういう意味では、映像の世界は勝手が違います。今日、3話の4シーンをやったら明日は1話の13シーンを撮って、と。撮影も前後しますし、台本の1ページ程度の撮影でも数時間かかります。そういう場合の、「テスト!」「本番!」となった瞬間の集中力とか、それは、すごく違いを感じました。最初の撮影では、僕なんか、未経験なことばかりで。本来、自分の芝居をちゃんとやらなきゃいけないのにドキマギするわ、緊張してセリフを間違えちゃったり、「もう1回!」と言われたり。そういうギャップはありましたね。
――声優の世界では、高木さんはアドリブというのがみなさんに知れ渡っていますが、そういう余裕ってありますか?
高木:全然ないです(笑)。そんな余裕が早く出るようであればいいですけど、今回、三谷さんの本は、アドリブがいらないくらい計算されていますし、面白いですし。アドリブは必要ないと思います。
――松を演じられる木村佳乃さんとのシーンや、武田勝頼を裏切るときの笹子峠のシーンを見て、武将というよりもすごく人間臭くて。こういう武将もいるんだ? という印象を受けました。高木さんご自身は、茂誠をどういうふうに演じようと思っていたのか? 三谷さんや監督からこんなふうに演じてほしいという要望はあったのか?
高木:じつは、僕、小山田茂誠という人物をあまり知らなかったんです。信繁、信幸、昌幸といった、みなさんに知られているキャラクターをどう演じるか? となったら、それはプレッシャーがあったと思うんです。でも、僕にはそれがなかった。そういう意味では、ここから作っていけるのかなあと思いました。三谷さんにも「茂誠って、どんな人物なんですか?」と質問しましたが、「高木さんの、人のよさそうな感じが出ればいい。硬くなると面白みがなくなっちゃうから、自由にやってください」と。本読みのときにも、「もっと柔らかくふつうにやって。頑張らないでください」と言われました。なので、この茂誠に関しては、僕らしくやっていいのかなと思っています。名将ではないと言われていますし、人間っぽくやろう、と。役割としては、松と僕はいい夫婦で、真田家にいるとすごくあったかい空気が流れる。「イチャイチャしてるんじゃないよ!」みたいな、ほのぼのとする感じが出せることなのではないかなあ、と思っています。真田家が西方と東方に別れてしまっても、2人でいつも信繁を心配していて。信繁もそれが励みになるんですよね。そういう絆を作るのが僕らの役割だと思っていますし、そこを表現できたらいいなあと思います。
――松と茂誠は本当に微笑ましい夫婦ですよね。木村さんとこういうふうに演じようとお話されたりしましたか?
高木:木村さんも同じようにおっしゃっていました。松と茂誠が仲良しで、家族のなかで笑いが起きちゃうくらいの、あったかい空気を出せるような夫婦を作っていきましょうね、って。僕自身、映像が初めてだし、木村佳乃さんが奥さんだってだけでビビってるんですけど(笑)。そこを、佳乃さんがいざなってくれている。逃げるシーンになると、僕の腕をクッと掴んでくれたり。「行ってくるね」って手をあわせるときも、「私の手の上にこう乗せてね」って言ってくださったり。ふだん撮影じゃないときでも気にかけてくださるんです。前室にいるときも、とても明るくて、気さくで。みなさんから、ほのぼのしていていいねっておっしゃっていただけるのは、そういう佳乃さんの空気の賜物だと思っています。年齢的にも茂誠よりも年上で、姉さん女房だったそうなんですが、このドラマが終わるまでには、逆に、僕が引っ張っていけるような茂誠になっていきたいと思っています。
――第3回の放送で、すごい格好で登場するシーンは、作るのも大変だったのではないかと思いますが。
高木:誰かが言っていたのを聞いたんですけど、「あれが武士らしいね」って。あの時代って、人と会うときは必ず刀を携え、いつでも相手を刺してやるぞ、というくらいの緊張感があったわけじゃないですか。そのなかで、刀も何もかもなくなっちゃって、食べるものもない。輝かしい時代もあったら、どん底に落ちてボロボロになっている時代もあるという、まさに、あれが武士ですよね。そういう意味では、いいシーンをいただきました。ボロボロから這い上がっていく姿というか、本当に生きるのに必死だったんだと思います。
――この大河をきっかけに、今後も映像作品に出たいと思いますか?
高木:面白いですし、いろんなことをやりたいと思います。でも、今はこれしか考えられないですね、余裕がないので。みなさんのお芝居を見て、どんどん吸収して、自分らしさを出せるように。まずは『真田丸』一本ですね。
――これまで、テレビから流れる自分の声はたくさん聞かれてきたと思いますが、自分の顔が映像に出て、動いている姿を見たときの感想は?
高木:こっぱずかしいですよね(笑)。1話を見たときも、自分の芝居が本当に固いなあ、と。自分自身、見ていられないくらいこっぱずかしかった。みなさん、「笹子峠で絶叫する姿が感動した」と言ってくださいましたが、僕の芝居はただ固くて、あれは、監督の編集と三谷さんの本のおかげだと思っています。早く恥ずかしくならないようになりたいですね。
――今の若い世代の人で、声優に関心を持っている人も多いと思います。高木さんが今回、大河ドラマに出たことで、若い人も『真田丸』に関心を持つのではないでしょうか?
高木:俳優も声優も根本的に、“芝居する”ということでは同じだと思うんです。妙に声を作っても、それは上っ面で、ハートのある芝居をしないとお客さんには届かない。そういう意味では、声優も一つの役者だと思っているんです。だから、舞台もいっぱいやったほうがいいと思いますし、映像もチャンスがあったらぜひやったほうがいい。実際、大泉洋さんだって声優をやられているし、高畑淳子さんも草笛光子さんもずっと声優をやられていますよね。芝居という意味では、ボーダーラインがないんですよ。たとえ未経験のことでも、どんどん新しいものを吸収して、グローバルな人間になったほうがいいですよね。声優になりたい若い人たちも、ぜひ、そういうところに目を向けてほしいなあと思います。
――今後の松と茂誠の見どころについて
高木:たくさんありますが、茂誠が、松のことを思いながら自分と同じ匂い袋を作るシーンですかねえ。演出のかたが、「2人のアイテムを作ろう」とおっしゃって、急遽入ったシーンなんです。ぜひ、期待して見てください。