2015年1月、日本はハビエル・アギレ監督の下でアジアカップに参加した。準々決勝でPK戦の末、敗退することになったが、UAEを圧倒する戦いぶりを見せた。

2011年の同大会で優勝したときと比べて、本田圭佑は「結果ではそうなんですけど、いろんなものを見たらそうではない。クオリティ、チームの完成度、サッカーの戦い方においてはこっちの大会の方が高かった。ただ、それと勝負とは違う」とコメントしていた。

3月に監督がヴァイッド・ハリルホジッチ監督に代わり、チームはリスタートを余儀なくされた。はたして、日本はアジアカップのときのチームレベルを今、超えているのだろうか。

吉田麻也は「まだ評価するのは難しいですね。次のステージに行ってからじゃないとわからないです」と言う。

本田も「早く強い相手とやらないとやっぱり分からないです。公式戦でね」と慎重な答えをした。

カンボジアに到着した翌日、長友佑都は言葉を選びながらこう語っている。

「ずっと試合に勝てるわけではないし、ずっといいサッカーができるわけではない。長い道のりの中にはうまくいかないときは必ずあると思うので、そこは成長するためにある大事なプロセスだと思うので、チームが成長するためにはそういううまくいかないときが大事だなと。チームだけじゃなくて個人的にもそうだと思います」

だが、カンボジア戦を終えた後に同じ質問をぶつけてみると、今度は寄り厳しい答えが返ってきた。

「なかなか今日の試合だけで判断するのは難しいですが、まだまだチーム全体として良いプレーが、監督が求めるサッカーをできないと難しいかと思っていて、チーム全体のレベルとしては世界はまだ難しいと思います」

アジアカップの際のレベルを超えるにはどうしたらいいか。1つには、これまでの選手を追い越す若手が出てこないといけないだろう。本田も長友も香川真司も、最初は日本代表のレギュラーではなかったところから自分の地位を築いたのだ。

長友は言う。

「チャンスを与えられた選手が最高のパフォーマンスを出さなければいけない状況ですが、代表というのはいろんなプレッシャーもあり、なかなかパット出て最高の活躍が出来るかというとそうではない。僕自身もそうだったし、今本当に試合に出てる若い選手がもっと自信を持ってミスしてもチャレンジできる環境をつくっていかなければいけない。経験のある僕たちの責任でもあると思います」

アジアカップの際の主力を追い越す選手が出てこない限り、1月のレベルを超えたとは言えない。今年はその萌芽が見えただけで終わってしまった。

【日本蹴球合同会社/森雅史】