野田首相が訪中を終え、帰国した。自身を評した「日中交流の申し子」が何を意味するものなのかは不明だが、首相が為すべきことは言うまでも無く、交流ではなく外交である。言葉尻をつかまえるつもりはないが、果たして首相に外交のせめぎ合いに対する気概があったのだろうか。首相はよく「国益」という言葉を口にするが、漁船体当たり事件以降も頻発する中国漁船の領海荒らしには言及せず、あたかも過去を水に流すかような姿勢を見