「世界遺産」への登録は良いことばかりなのだろうか。城西国際大学教授の佐滝剛弘さんは「世界遺産登録の本来の目的は、その遺産を無傷で後世に渡すことだ。日本人は、世界遺産登録の意義を『観光』だと誤解しがちだ。その結果、保全にすら苦労する世界遺産も出てきてしまっている」という――。※本稿は、佐滝剛弘『観光消滅 観光立国の実像と虚像』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。写真=iStock.com/MasaoTaira