この名刺箱に入れておくと、“いい匂いの名刺”に変身します。

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柔軟剤のCMだったですかね? 車の中で女性重役(白川由美)が「先ほどの方、感じが良かったわねぇ」と、良い香りがする販売員(柴咲コウ)を褒めちぎるあのCM。妙に印象深いです。そう、キツくもなく、優しく、それでいて記憶に残る良い香りは、好感度をバッチリと上げてくれます。
ところで人との初対面時、挨拶と同時に交換する名刺。これに良い香りが付いていたら、どうなると思います? 好感度が上がるのは、道理です!

ということは、このアイテムが興味深くなってくる。「株式会社 山櫻」が2月23日より受注を開始しているのは、なんと“匂い付き名刺箱”です。その名は、『Fragra(フレグラ)』。
この箱に名刺を入れておき、仕事で取引先と初対面したとしましょう。その時に渡す名刺から、良い香りがするんです。

ところで、どんな香りがするというのか? 現状、6種がラインナップされているらしいです。
(1)アフリカにあるジャングルで育った甘みの濃いバナナの匂い
(2)361段の石段を上ったところにたたずむ樹齢2500年のヒノキに鼻を近づけた時の匂い
(3)一人暮らしのお姉さんが作ってくれたやさしい味のカレーの匂い
(4)昼下がりに自由ケ丘のカフェで食べるふんわりした焼きたてのパンの匂い
(5)赤レンガでできた家に住むガーデニング好きの女性が庭で大切に育てたペパーミントの匂い
(6)新幹線で食べる焼肉弁当のご飯についた焼肉のタレの匂い

どれもこれも、妙にストーリーを妄想させる匂いばかり。ちなみに「焼肉」「カレーライス」「焼きたてのパン」は、「匂いだけで食欲をそそる食べ物ランキング」(gooランキング)の上位3種だそうです。ではそれ以外の3種は、何を理由にセレクトされた?
「当社としては、『Fragra』に収めた名刺を“ビジネス名刺”としてご使用していただきたいと考えています。結果、清潔感のある香りを採用することに決めました。会社同士の取引を左右させない香りばかりです」(担当者)
今後、これらのラインナップたちは変更の可能性アリとのこと。反響に応じて変更、もしくは追加をしていく予定だそうです。

上記は、あくまでスタンダードなラインナップの話。他のサービスとしては、イレギュラーで季節や行事に合わせた匂いを、その都度商品化させていく予定です。例えば、秋には焼き芋の香りがする名刺箱だったり、夏には海の潮の香りがする名刺箱だったり……。

ちなみにこの名刺箱、なんとオーダーメイドサービスも受け付ける予定らしく。
「例えば、ラムネの企業さんが『ラムネの匂いがする名刺箱を作りたい』と考えたとします。その意向を受け、こちらでラムネの香りを3種作り、お客様に確認していただきます。この確認工程は、2回までをセット料金内の範囲と考えております」(担当者)
この確認工程で発注者が納得すれば、製作に動き出す……という流れです。
「オーダーメイドですので、会社のブランドや商品に合わせた匂いになるかと想定しています」(担当者)
このサービスに関しては企業、店舗、イベントでの活用が主となるのでしょうね。

そんな『Fragra』の“匂い持続期間”は、約3カ月(箱の中に入れた状態)。収めた状態でおよそ3日経つと、“匂い付き名刺”に変貌します。
「匂いの持続期間がありますので、在庫商品とすることは不可能です。ご発注いただき、そこから製作という流れになります」(担当者)

同社製品を取り扱っている全国の印刷会社、もしくは全国の名刺作成店を通じて発注できるという『Fragra』。「商談終了後に名刺を持ち帰ったクライアントの社内で口コミが広まる」といった実用的な効果が期待できるに違いありません。
個人的には、そういうのを抜きにして「一人暮らしのお姉さんが作ってくれたやさしい味のカレーの匂い」が欲しいかな……。
(寺西ジャジューカ)