【米国はこう見ている】4番手外野手のイチローが示す自信 「昨年は5番目。どうなるか楽しみ」
![マーリンズの野手始動日を迎えたイチロー【写真:田口有史】](https://image.news.livedoor.com/newsimage/0/6/068d5_1397_d795d66a_75f06108-m.jpg)
ヤンキースに所属した昨年は5番手から夏場に一時、レギュラーを奪取
マーリンズのイチロー外野手が新天地での4番手外野手という役割を受け入れながらも、昨年のヤンキースでは5番手から最終的に359打数を積み上げたことを理由に自信を示している。MLB公式サイトが「イチローはマーリンズ外野手の若い中に自分も入れてほしい」と特集している。
現地時間24日にフロリダ州ジュピターで行われたマーリンズの野手始動日で、“レジェンド”はチームに本格合流。マーリンズから求められた4番手外野手という役割について地元メディアから質問されると、不敵に自信を示した。
「僕は役割を理解し、受け入れます。でも、昨年を振り返れば、僕は5番目の外野手だった。だから、どうなるか楽しみですね」
イチローは通訳を介してこう語ったという。
ヤンキースでは昨年のスプリングキャンプスタート時、5番手外野手という位置付けだった。直前のオフにフリーエージェントでカルロス・ベルトラン、ジャコビー・エルズベリーを獲得し、ブレット・ガードナーとは長期の契約延長にサイン。指名打者のレギュラーだった元広島のアルフォンソ・ソリアーノも外野手だったため、イチローは5番手としてスタートした。しかし、代走、守備固めという限定的な出番でクオリティを示し、夏場にはライトのレギュラーの座を一時、勝ち取った。
記事でも「ヤンキースでは359打数を積み上げた」と指摘している。
目標は3000本だけではない「僕には他に成し遂げたいゴールがある」
イチローが活躍してきたア・リーグと異なり、マーリンズが所属するナ・リーグに指名打者制度はない。しかも、最高年俸総額男のジャンカルロ・スタントン、マルセル・オズナ、クリスチャン・イェリッチの3人はメジャー最強の外野陣と称される。イチローも「4番手」という立場に納得し、マイアミを選んだ。ただ、開幕すれば何が起こるかわからない。圧倒的な実績に加え、昨年は首脳陣の低評価を覆した自信もあるようだ。
メジャー通算3000本安打という金字塔へは残り156本。昨年は102安打を記録したイチローの記録達成にメディアも注目するが、本人は過剰な意識はしていない。
「3000本という数字はすごく大きなゴールであり、自分にとってもゴールです。でも、それは僕が野球を続ける理由ではない。僕には他のゴールから、プレーし続けたいというモチベーションがある。それが唯一のゴールだったら、プレーし続けないと思う。僕には他に成し遂げたいゴールがある」
大記録以外にも、旺盛に燃える闘志と意欲が存在するからこそ、イチローは現役を続けるのだという。
この日は、平均年齢24歳の最強外野トリオと初めて練習した。
「みんな自分を年寄りのように扱うんですが、若者のグループに自分も入れて欲しいですね。若々しく感じることができるし、あのグループに入れてもらいたいですよ。僕は41歳で、自分の役割がどうなるのかも現時点ではわかりません。キャンプをやりきった頃に分かるでしょう。バットが杖に思われなければいいですね」
冴え渡るイチローのユーモアセンスに地元記者からも笑い声が上がった。日本が誇る安打製造機は充実の再出発を飾った。