チームメイトたちと談笑するイチロー【写真:田口有史】

マーリンズのキャンプ初日から「ジョークを飛ばし、日本語、英語、スペイン語でも笑顔を共有した」

 マーリンズイチロー外野手が、フロリダ州ジュピターでのスプリングキャンプ全体練習初日にスペイン語を駆使し、メジャー最強と呼ばれる平均年齢24歳の若手外野トリオの心を鷲掴みにしている。地元紙「マイアミ・ヘラルド」が「新加入のマーリン、イチロー・スズキがユーモアとマルチな語学力でいきなりヒット」と報じた。

 24日(日本時間25日)に新天地に本格合流を果たしたイチローは、早くもチームへの溶け込みを見せているという。

「クリスチャン・イェリッチ、マルセル・オズナ、ジャンカルロ・スタントンは最強の外野トリオと称されたが、火曜日にこのグループ4人目のアミーゴを歓迎した。イチロー・スズキだ。マーリンズの歴史上初の日本人選手で、(現役通算)4000本以上のヒットを放った、たった3選手のうちの1人。イチローは彼の新しいチームメートに会うやいなや、いきなりヒットを放った。ジョークを飛ばし、日本語、英語、スペイン語でも笑顔を共有した」

 キャンプ地に始めて姿を現した前日(現地時間23日)には、入団会見の自らの発言をネタにしたTシャツを着て登場したイチロー。エッジの効いたユーモアのセンスのみならず、卓越した語学力でチームに溶け込んだという。

ジョークも軽快「バットが杖に思われなければいいですね」

「彼は本当に愉快な人だね。オソ(オズナの愛称)は去年の年末から流暢な日本語を話せるようになろうと頑張っているんだけど、2人は一日中、ひたすらしゃべっていてね。それを見ていて面白かった。楽しい1年になりそうだよ」

 41歳のイチローと年齢差17歳という23歳の左翼手イェリッチはこう語ったという。

 ドミニカ出身の中堅手オズナは昨年、153試合に出場。打率2割6分9厘、23本塁打、85打点と長打力をアピールしている。なぜか昨年から日本語を勉強中で、スペイン語で試合中に中南米系の選手と絶妙なトラッシュトークを繰り出すこともでも有名なイチローとの奇妙なやりとりは、周囲の雰囲気を明るくしたという。“レジェンド”は気さくな言動で、若手との心の垣根を取り除くことに成功したようだ。

「バットが杖に思われなければいいですね」

 通訳を介して地元メディアに対応したイチローは年齢で判断されることを嫌うが、その冗談は冴え渡り、会見場には笑いが起こったという。メジャー通算3000本安打まで156本と迫る安打製造機は、新天地への適応もスムーズな様子だ。