ダンボールでできた鍋やフライパン。ここにスマホをセットすると“次世代おままごとプロダクト”に!

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筆者は36歳なのですが、同世代の仲間には“子持ち家庭”が珍しくありません。
いや、自分が独身だからこじらせたわけじゃないですよ? けど、親じゃない自分でも、幼き子にはたくさんの良質な玩具を買い与えてあげたい! 他人の子と言えども、その可愛らしさの前では無力です。たまらない気持ちにさせられます。知人の子どもに対し、自分は財布のひもが緩いです。

そんなテンションでいつものように情報収集していたら、こんなプロダクトを見つけました。その名は『ダンボッコ キッチン』。
見たところ、ダンボールでできた鍋やフライパンのおもちゃです。言わば、おままごと用の器具ですな。

しかし、その内容は驚きです。例えばダンボールでできたフライパンの中央に、スマホをセットしたとしましょう。そしてこの状態で、フライパンを振ってあげる。すると、そこからは未来です。フライパン中央(スマホ画面)に映った目玉焼きが傾いたり、焼き途中の餃子に水を入れたら「ジューッ!」と音が鳴ったり。強く振る、弱く振るで、具材の動きも変わるし。あんまり焼き過ぎると、それはそれで焦げちゃうし!

もう、ドンドン紹介したい。おなべにスマホをセットし、カレーやおでんを煮込んだとしましょう。フタを開けると湯気が出てくるし(光センサーを利用)、ヘラでかき混ぜると“とぷん”と沈むような感覚が味わえるし、具材を押し込んだらちゃんと沈むし。かき混ぜながらつくらないと、焦げ付いちゃうし!
忘れちゃいけない、まな板。スマホをセットし、ダンボールでできた包丁でトントンしましょう。するとあの心地良い音が鳴り響き、まな板上(スマホ画面)のお肉やお魚、お野菜が切れていきます。もちろん、それらの食材を使ってお料理に突入していただきたい!

では、ここからは現実的な話を。まず、このようなプロダクトを開発したきっかけは? 『ダンボッコ キッチン』のプロジェクトに参加した、面白法人カヤック・佐藤ねじ氏に伺います。
「妊娠・出産・育児とママの生活領域でメディアや物販等を15年以上手掛けてきた堀口育代さんの『今までにない新しいおもちゃがつくれないか?』という思いが始まりでした。デジタルはそれ一つで無限大の変化ができエコですが、無機質でもあります。そこに誰にとっても身近なダンボールを組み合わせることで、温かみが感じられるようになります。壊れても作り直しやすいですし、また子どもが自由に落書きすることもできます」

まさに、デジタルとアナログの融合じゃないですか! まな板14品、フライパン15品、鍋15品が用意されているそうで、そこに無料アプリ「ダンボッコ」(iPhone対応/4月頃リリース予定)をダウンロードしたiPhoneをセットすれば、まるで本当に料理をしているかのような感覚が味わえます。もちろん、安全だし。
「親御さんはスマホユーザーがほとんどとなり、子どもたちも小さい頃からスマホアプリで遊び、画面にかじりついているシーンが多くなってきていると聞いています。『ダンボッコ キッチン』はスマホアプリの便利さや更新性を残しつつ、身体を使って実際におままごとを体験できる良さも残しています。画面の中だけで完結せず、実際にフライパンやなべを触り、食材を切るまねをしながら、おもちゃ自体に飽きることなく料理を体験できるきっかけになると考えています」(佐藤氏)
「スマホアプリの更新性」についてですが、ここがミソ。アップデートによって常にメニューなどが拡張・更新されるそうなんです。これは、飽きが来なそう!

また、見た目もいいですよね。そのままの素材感だからこそ、温かみが感じられるというか。気持ちが良いです。
「ダンボールなので、子どもがペンやクレヨンなのでそのまま好きなデザインを書き込んでつくることもできます。そうした余地を残すためにも、こちらで華美なデザインは取り入れていません」(佐藤氏)

ちなみにこの『ダンボッコ キッチン』は量産化を目指しており、現在はクラウドファンディング「Makuake」で支援者を募集中とのこと。目標金額に達成した時点で、支援者にダンボールキットが発送される……という流れが控えています。また量産化の準備が整えば、その時点で製品化と相成ります。
「プロジェクト発表後、皆様から『かわいい』『子どもにほしい!』などポジティブな声をたくさんいただきました。またMakuakeでは、発表後3日ですでに目標金額の80%を達成しています。引き続き、今後も募集を進めていきたいと考えています!」(佐藤氏)

「デジタルは無機質」どころか、アナログとの融合でより温かさが増幅しました。安全だし、楽しいし、全く新しい体験ができそうです。
(寺西ジャジューカ)