このマークが目印! “高クオリティの証”だとお考えください。

写真拡大

数年前の話。路肩に自動車を停車していると、背後から“ドスン!”と衝撃が。「何事!?」と車から降りると、そこには自転車から転倒した女の子……。傍らには、携帯電話が落ちてました。
筆者「なに、携帯見ながら自転車乗ってたの(怒)!?」
女子「本当に、すみません……」
車にキズは付くわ、自分の運の悪さには辟易するわ、忘れられないエピソードですよ!

あれから、数年後。現在の自転車状況は良くなっているのでしょうか。というのも、2013年12月に改正道路交通法が施行されています。……ご存じでしたか? いや、ぶっちゃけ、あまり浸透していないと思うのですよ。

私、こんなデータを見つけました。「自転車の安全利用促進委員会」は、自転車を週1回以上運転する主婦を対象に「自転車の改正道路交通法施行から1年たった現状についての意識調査」を実施しています。
そのなかに、こんな設問がありました。「道路交通法の自転車に関する条項が2013年12月に1日に改正されたことを知っていますか?」。
この問いに「知っていて、内容を理解している」と回答した主婦は、全体の9.3%。「なんとなく知っている」との回答を合わせると、約6割の主婦が改正について認知しているそうなんです。
なんと頼もしい! じゃあその知識をチェックさせてもらうためにも、昨年12月の道路交通法改正によって追加された項目を選んでもらいましたよ。うん、これは、簡単でしょう!
と思いきや……結果から申しますと、条項改正について正しく理解している人は、なんとたった1%のみでした。加わったのは、「道路の右側にある路側帯走行禁止」と「ブレーキ装備義務」という条項です。なのに、「ブレーキ装備義務」に関しては、27.8%の票しか集まってない!
実際には、多くの主婦が交通法改正を「知ったつもり」になっているだけのようです……。

この理解の低さ、結果的にこんな状況を招いています。「今年に入って世間の自転車運転マナーが良くなったと思いますか?」という設問では、「とても良くなったと思う」回答がたった0.4%。一方、「現状維持」もしくは「悪くなった」という意見は8割を超えています。

この辺りを具体的に探るのは、「今年に入って、他人の自転車の運転で危機感を感じたものは何ですか?」という設問でしょうか。気になるのは「夜間ライトの無点灯」(27.4%)という回答です。
自動車に乗る側からすると、無点灯自転車ほど恐いものはありません。ある程度近付いて、初めて存在を認識するケースが非常に多く。「うわっ、いたのか!?」みたいな。危ないよ!
いや、もっと言うと、初めからライトや反射板を付けてない自転車があるみたいなんです。それ、ヤバいって!!

ここで、皆さんにご紹介しましょう。一般社団法人自転車協会が定める検査項目(約90箇所)をクリアした自転車に貼付される、その名も「BAAマーク」を。BAAは、BICYCLE ASSOCIATION(JAPAN) APPROVEDの頭文字をとったもの。主に国内メーカー自転車のサドル下縦パイプに貼られており、フレーム強度、ブレーキの制動性能、リフレクタの反射性能等が十分であるという“高クオリティの証”だとお考えください。
もちろんこのマーク、安全性も保証しています。この「BAAマーク」が貼付された自転車を選んでおけば、かなり安心。変な自転車に手を出すことはありません。例えば、昨年悪評を極めた“ブレーキ無し自転車”とか、初めから選択肢に入ってこない。今や、“ブレーキ無し自転車”乗車は違反ですからね。街でそんな自転車、やめてよ!

さて、今回の調査結果を受け、NPO法人自転車活用推進研究会理事・疋田智氏は次のようにコメントしています。
自転車ルールの知識があったとしても、路上で見る自転車の挙動には反映されていないのが実情です。『信号を守らない』、『左右デタラメに走る』、『夜間でも無灯火』など、誰もが路上で見かけるとおりです。これは『しょせん自転車でしょ?』という心理と『私だけは大丈夫』という心理をみんなが覆い、その結果“みんなで渡れば恐くない”という状況に陥っているということではないでしょうか」
そこで大事なのは、「自転車は車両なんだ」という意識を持つこと。
自転車は、歩行者とぶつかれば歩行者を傷つけますし、最悪の場合、死亡事故に発展することもあります。『自転車だからいいでしょ』ではなく『自転車だからこそ、守るべきものは守らなくては』という意識を持って欲しいと思います」(疋田氏)

自転車は車両」。理解したつもりで終えずに、実践しましょう!