『脚がスパッ!ときれいになる「足ゆび」ストレッチ』斉藤美恵子(著)/青春出版社

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寒い季節になるとブーツの出番が多くなる。ブーツを履いて出かけるのは冬の楽しみの一つではあるが、女性の多くが嫌だと感じているのは、脚のむくみではないだろうか。朝からブーツを履いて出かければ、夕方ごろにはむくみのせいで窮屈になっている。一度脱いでしまうと、次に履くときにはファスナーをあげるのに苦労する。

そんな、ちょっとした悩みのタネであるむくみ。「いい加減、こいつをどうにかしたい!」と手にしたのが『脚がスパッ!ときれいになる「足ゆび」ストレッチ』という書籍だ。

著者である斉藤美恵子さんは、30年にわたり、女優やモデルを含めた計2万人以上の脚を矯正してきたレッグ・コンシャリスト。いわば脚のエキスパートである。本書によると、靴を履く習慣などから足の指が常に縮こまり固まっている人が多いそうだ。足の指を意識的に動かすことによって、血行がよくなり、下半身にたまっていた水分やリンパの流れがよくなる。その結果、むくみも改善でき、奇麗に見えるようだ。

担当編集の石井さんにお話を伺ったところ、斉藤先生の「最近、足指を動かせない人が増えている」というエピソードが本書をつくるきっかけとのことだ。
「先生いわく『(斉藤先生が主催する)レッスンに通っている方でも、脚に対する意識が高いはずなのに、足指を動かしてみてください、というと、足指って動くんですか? と不思議そうにしています。普段、靴の中でつま先が縮こまっているせいもあって、関節が固まっているんです』とのこと。また、そういう人は足の指先だけがむくんで“ぽよん”とふくらんでいることがあるそうで、そういうむくみ方を見かけるようになったのはここ数年の話だと伺って、おもしろいなと興味をもちました」

足の指だけを使ってどれだけ前に進むことができるか、という診断テストが書籍の中で紹介されているので試しにやってみたところ、1ミリも進めない! 足の指を動かすという感覚がまったく分からない私にとっては、斉藤先生のお話に出てきた生徒さんたちの気持ちがよく分かる。編集の石井さんも「実際、私も足指を動かそうとしたら全然ダメで、関節が固まっていて、動かすのが難しかったので、わかる〜!と思いました」と話してくれた。

では、どうやって足の指をほぐすかというと、そのためのストレッチが本書に24個紹介されている。どれも数分でできてしまう簡単なもので、毎日すべてをやる必要はなく、できるものをやれば良いとのこと。石井さんに「足の指先、足の甲、足首など、細かい部位の動きを指導している本なので、どこをどう動かすのかを分かりやすく示せるように工夫しました」と教えてもらったが、その通りどの部分を意識して動かせばいいのか、とても分かりやすかった。

これなら気軽にできそうだと思い、早速実践してみた。指の間を広げたり、足の指の関節を伸ばしたりするのだが、固まりすぎているのだろう、少し痛いくらいだった。ただ、その後は血行が良くなって冷えていた足先が温かくなる。また、翌日の朝にもむくみが残っていることがよくあったのだが、ストレッチを始めてからはなくなった気がする。

「基本の足ゆびストレッチ(P82)は毎日おこなっています。また、仕事では座り作業が多いので、数時間おきに足の甲ストレッチ(P119)やそけい部マッサージ(P123)をおこなって、リンパの流れが滞らないように気をつけています」と、石井さんも実践中だ。
「もともと血行が良くないほうで、帰ったら脚がパンパンにむくんでいて着圧ソックスを履かないとむくみを解消できなかったのですが、斉藤先生に教わったことを実践しはじめてからは、あまりむくみが気にならないようになりました」

他のダイエットでも同じだろうが、もちろん一日試したところでは効果はない。美脚へ近づくための秘訣も続けることにある。「斉藤先生がいつもおっしゃっているのは、『自分の脚を意識することが一番大事』ということです。1日1つでもいいので、ストレッチやエクササイズをおこなって、少しの時間でも毎日続けていくことが大事だそうです」

最後に本書をどんな風に使えばいいか石井さんに聞いてみた。「斉藤先生のおっしゃっているように『いつも意識すること』が大事だと思いますので、この本をいつも目に入るところに置いていただけると嬉しいなと思います。脚への意識がわいて、『足指の関節を動かそう』、『奇麗になるためにがんばろう』という意欲が継続することと思います」

ということで私の会社のデスクの上には、こっそりこの本が置いてあり、仕事の合間の気分転換にこっそりとストレッチをおこなっている。脚のむくみを気にせず、ブーツを履ける日を心待ちにしている方にはぜひ試していただきたい。
(上村逸美/boox)