アメリカで「メリークリスマス」はタブー? 米国のホリデー事情

写真拡大 (全3枚)

日本のH&Mのレジで「メリークリスマス」という合い言葉を言うと、合計金額から25%引きになるというキャンペーンが実施中だ。
これを見て、日本って本当に幸せな国だな、と思ってしまった。というのは、ここ米国で「メリークリスマス」なんて公共の場で言おうものなら、どん引きされてしまう。ご存じの通り米国は人種や宗教がミックスしているので、何気ない一言でその場がサーッとしらけてしまう可能性があるのだ。

クリスマスと同じ時期にユダヤ教のジューイッシュの人々が祝う「ハヌカ」がある。アダム・サンドラーが歌う「ハッピーハヌカ」をご存じの方もいると思うが、アメリカではクリスマスではなく「ハヌカ」を祝う人が多いのだ。(そのちょっと後にはアフリカの人々が祝う「クワンザ」なるものもある)

同時期頃に宗教的、人種的なイベントが目白押しなので、キリスト教色が強く出る「メリークリスマス」は禁句ではないにしろあまり使われない。その代わり、みんな平等に使える「ハッピーホリデー」がよく用いられる。

さて、ハヌカにしろクリスマスにしろどちらもプレゼントは必須アイテム。この時期、お店ではプレゼントもとより、ラッピングペーパーが山になって売られている。

日本のように、お店でラッピングしてくれることは皆無なアメリカ(簡易包装さえなし)。自分で筒状になったラッピングペーパーを購入し、ハサミとテープでせっせと包装する作業がアメリカ人にできるのだろうか? なんてことが頭をよぎったが、箱の角なんて気にする事はない、テープも長いまま貼りつけたっていい、紙だってまっすぐに切る必要なんてない。プレゼント自体が隠れていて、中に何が入っているかわからなければ問題ないらしい。

ペーパーがなくなったら、アルミホイルっていう手もある、という昔からホイルをラッピングペーパー代用している同僚が言う。「シルバーってホリデーっぽいじゃん?」だそうだ。

それでもたまにレジ奥にラッピングしてあげますコーナーがあるデパートや本屋さんがあったりするのだが、無料ではない。本屋さんなどでのラッピングコーナーでは、小学生低学年がチャリティーラッピングしてくれたりするが、出来上がりの包装は……想像してください。

そんなアメリカのホリデー事情。今年のラッピングペーパーは「アナ雪」プリントが売り上げ一番のようです(昨年はワン・ダイレクションの顔がプリントされているペーパーが売れていた)。

綺麗な包装紙、昭和の母なら皺を延ばして再利用しそうだが、こちら米国ではクリスマス当日大量なゴミになる。8日間続くハヌカはこの期間、毎日プレゼントなので包装紙ゴミもすごいことになるようだ。

米国=キリスト教=クリスマスとなるのは普通なのかもしれないが、アメリカは他民族国家だということを忘れてはならない。
一方、日本=神道+仏教=クリスマスはない、と思う米国人も多いのも確かだ。そんな米国人に、日本ではクリスマス当日は週末でない限り役所やお店、学校、なんでも普通通りにオープンしているし、休みではないよ、なんて教えるとかなり驚かれる。
「でもほとんどの日本人はクリスマスを祝うよ、クリスチャンじゃないけどね。その日は恋人達の日だったり、ケンタッキーフライドチキンを食べる日だったり。宗教は頭にないかも」なんて言おうものなら、爆笑されてしまう。

それではみなさん、それぞれのホリデー楽しんでくださいね。
(シカゴ/あらた)