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●値段からの見方なめてた。正直、廉価版だと思ってたのよPFUのモバイルスキャナ「ScanSnap iX100」のことを。いや、廉価版というものを悪くとらえているのではなくて、機能を絞った低価格モデルって意味でね。その分安くなっているわけだし、絶対的な需要はあるわけだから、それはそれで重要なのだけど、ほらやっぱり「ScanSnap iX500」と比べるとね、単純に小型化しましたよ、どこでも持ち歩けますよっていうのはやっぱり弱いわけで、「ScanSnap iX500」と「ScanSnap S1100」というラインナップの時は、どう頑張っても「ScanSnap iX500」おしでした。ハイ。

それでね、「ScanSnap S1100」の後継機っていっていいのかな? 同じ筋の製品として「ScanSnap iX100」が発表されたわけ。でもって、PFUの新製品発表会なんぞに行ってみたわけよ。そうしたら、バッテリを搭載したっていうじゃない!これだよ、これ。"モバイル"と名乗っているなら、バッテリぐらい搭載しなさいよって話。だから小生、かなり気になってました。「ScanSnap iX100」のことを。で、ちょっと手に入れたので、その辺の話をつらつらと。

○スキャナって必要?

そもそもね、このご時世でスキャナを買うってどうなのよって話なんだけど、まぁ普通に考えれば既に"複合機"ってあると思うのですよ……家に。年賀状作成とかのために買ってるでしょ?

で、複合機ってプリンタとスキャナとコピーがウリなわけで、"フラットベッド"タイプだけど、案外スキャナって身近にあるもんなのよ。

だから、普通の家庭ならまず単機能機のスキャナは買わない。コレが例えば、フィルムカメラが趣味で、フィルムを読み込ませたいというなら"フィルムスキャナ"を買うだろうし、複数枚の書類を一気に電子化したいという需要なら、前述したADF(自動原稿送り機構:Auto Document Feeder)付きの「ScanSnap iX500」を買うでしょう。

一枚一枚原稿をセットするという手間は、モバイルスキャナも複合機のスキャナ機能も変わらない。そういう意味では、小生的にあまりプッシュできなかった……のだけどね。

もちろん、モバイルスキャナのメリットもわかるんだ。小型だから場所をとらないとか、出張先でも使えるとか(まぁそんなケースがあるかわからないけど)、そんな感じで。電源もバスパワー駆動に対応しているから、ノートPCとの相性も○。けどまぁ、それだけなんだよなぁって感じだったんだけど、「ScanSnap iX100」のおかげでちょっと目が覚めた。

●使い道を考える○こんなシーンで使える

昨今、スキャンデータの送信先はパソコンだけでなく、例えばスマホ、タブレットも選べるようになってきている。これが意味するところは何か。簡単にいえば、電子化したデータを手軽に持ち歩けるってことなんだよね。コレ重要。

しかも、スマホに送れば、メールに添付したり、オンラインストレージにアップロードして共有したりと、一歩先まで見据えて使うことができる。これはでかい。

出先というシチュエーションを考えると、ノートPCしかない場合は、WiMAXなどのモバイルルーターを使うか、公衆無線LANサービスを利用する。あるいはスマホのテザリングを使った通信によってインターネット接続するしかなかったのだけれど、スマホで完結できるなら、やっぱりそれに越したことはないわけで……。とはいえね、バッテリの搭載されていなかった従来機では、電源が確保できず、やっぱりノートPCのアクセサリ的な役割だったのよ。

それが、バッテリを搭載したことで、パソコンのアクセサリから、独立したモバイルガジェットまでその地位を上げたといっても過言ではないと思うわけ。小生は。

ぶっちゃけ、スマホと「ScanSnap iX100」があれば、出先の手に入れた紙原稿をすぐさまスキャンしてどこかに送るってことが可能になるわけさ。

営業先でもらった資料を、その場で会社の担当に送って指示を仰ぐとか。かなりスピーディーな使い方ができるのよ。まぁ、小生は営業職についたことないから何ともいえないけどね。けど、想像はできる。電源をパソコンに依存しないというメリットは、特にモバイルという分野において、製品の価値を限りなく高めているのだ。

ここまでくると、廉価版なんていえないよね。ADF付きのフラッグシップ機「ScanSnap iX500」とバッテリ搭載のモバイル機「ScanSnap iX100」。この二枚看板なわけよ。正直思ったね。鉄壁だって。

●こんな機能があるともっとよくなる○ストレージ内蔵型を!

でも、良製品だから、その先を求めたくなるのも正直な話。例えば、ひとりで利用するなら何の問題もないけど、複数人でスキャンデータを共有したいなら、オンラインストレージなどを利用する必要がある。なので、内蔵メモリあるいは外部メモリを装着して、複数の人が直接スキャンしたデータを取得できるようにしたらどうか? と発表会場で聞いてみたら、情報保護の問題で現状では難しいと回答を得た。

うーむ、難しいのか。でも、あったらいいなっていう前向きな意見が出る製品は、魅力的なシリーズの証拠(何でないんだよッ! っていう後ろ向きな意見が出る場合は、まぁそういう製品だったということ)。さらなる進化に今後も注目したいと思う小生であった。

○使い方を写真で解説

(記事提供:AndroWire編集部)

(佐藤誠)