メッツがヘマ「恥ずべきツイート」

 メッツの松坂大輔投手が24日のカージナルス戦とのオープン戦で先発し、6回0/3を投げ、3安打4四球5三振で1失点と好投。オープン戦初の勝利投手となった。だが、1回表を三者三振で切って落としたことが図らずも、地元メディアを巻き込む騒動にまでつながった。ニューヨーク・ポスト紙が「メッツがヘマ。Dice-KKKとツイート」と大見出しで報じた。

 松坂はアメリカでDice-K(ダイスケ)の愛称で親しまれている。この「K」は三振からきているが、1回表にいきなり三者三振と完璧な滑り出しを見せた際にメッツの公式ツイッターが反応。球団は公式アカウントで、「Dice-KKK off to a quick start. He strikes out the side in the 1st inning.(原文まま)」とツイートした。

 これは「松坂が好発進。1回三者三振」という意味で、三者三振のくだりを「KKK」と表現した言葉遊びのつもりだったが、あまりに迂闊だったようだ。

 KKKはアメリカ社会で特別な意味を持つ。白人至上主義団体とされる「クー・クラックス・クラン」の略称。白装束姿で三角帽子を被りながら黒人を迫害するなどした蛮行は、アメリカの歴史を揺るがすような社会問題となった。

 この件では、ニューヨーク・デイリーニュース電子版も「恥ずべきツイート」と断罪。このツイートの物騒さに気付いたメッツ側もほどなく、公式アカウントから削除。「あれ(ツイート)は意図的なものではありませんでした。我々は三者三振を喜んでいただけ」という釈明文をツイートした。

 メッツは今月、ダン・ワーセン投手コーチが、松坂をサポートする日系アメリカ人通訳に対して冗談のつもりで発した言葉が人種差別発言として問題視されたばかり。その後、サンディ・アルダーソンGMとワーセン投手コーチが謝罪文を出す事態となった。今回も、この試合の勝利で開幕ローテーションの5番手入りに向け、大いにアピールしたはずの松坂に水を差すような、後味の悪さを残す失態となってしまった。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count