親子関係のこじれも… 壮絶な「親の家の片づけ」の現場
医療の発達により、日本人の平均寿命は男性が79.94歳、女性が86.41歳と世界でも高水準を保っています(2012年データ)。しかし、ほかの人の手助けなしに自立した生活ができる「健康寿命」はそれよりも約10年短く、70歳くらいだと言われています。
「親が施設に入ることになった」
「親が脳梗塞で倒れて、ひとり暮らしができなくなった」
「認知症を発症し、片づけられなくなった」
自分が40代や50代になると、親の介護にかける時間が増えてくることでしょう。しかし、親の介護とともに始まるのが、それまで“親が住んでいた家の片づけ”です。
『親の家を片づける 実践ハンドブック』(主婦の友社/刊)は、そうした「親家片」(おやかた=「親の家を片づける」の略語)にいざ直面したときにどうすればいいのかが、体験談とともに紹介されている一冊です。
2013年5月に出版された前作の『親の家を片づける』(主婦の友社/刊)は、「親家片」の深刻な側面をリアルにとらえ、これから「親家片」をはじめる人たちを啓発する本として、大きな話題を呼びました。
親が住んでいた家には、膨大な量の「もの」があります。何十年にもわたって住んできた我が家。そこには、親の人生がそのまま詰め込まれていると考えていいでしょう。だから、前作『親の家を片づける』を読んだ人の中には、「親家片」を「断捨離」と重ねたという人も少なからずいたはずです。
しかし、「親家片」は「断捨離」とは全く異なります。「親家片」とは、「二度と帰らない親との日々の反芻」であり、「ものを処分してすっきりする」ことが目的ではないからです。
だからこそ、今まで胸の奥におさめてきた親に対する感情が剥き出しになることが多いのが、この「親家片」の大きな特徴です。
本書では67人から、その実例が寄せられていますが、その中には、「親を責めたくなった」と本音を吐露する人もいます。
「自分の気持ちのコントロールが大変でした。どうしてこんなにゴミがあるのだろうと思うと、怒りが抑えられなくなることもありました」
「私から見れば不用なものに、なぜ父があれほど執着するのか全く理解できませんでした。ものを捨てると怒り出す父を、私はすごく責めてしまい、父はすっかり意固地になってしまいました」
「ひとりで膨大な親のものを片づけていたら、亡き母がじっと私を見ているかのような気がしてゾッとしました」
こういった声がいくつも寄せられ、さらに、あまりにもものが多いせいか片づけをしている間に物欲がなくなり、好きだったインテリアや雑貨にも嫌悪感が生まれるようになってしまったという壮絶な経験をしている人もいます。
また、「もっと親の面倒をみたかった」「もっとやれることがあったかもしれない」という親への想い、後悔がこみ上げてきたり、「私ひとりに(片づけを)押しつけられた」「いつも私だけが何もかもやらなくてはならない」など、兄弟や親せきに対する怒りを訴える人もいます。
親の家の片づけは、単なる「片づけ」ではありません。親と向き合う時間です。
そして、それは、大きなストレスを抱え込むことになる可能性もあります。
この『親の家を片づける 実践ハンドブック』では、どのように「親家片」を進めていくべきか、準備段階から具体的に丁寧に教えてくれます。また、本書の最後には「大変だったけれど、親家片をやってよかった」という体験者の声たちが載っており、「親家片」に対して希望を見出せるはずです。
特に30代の方は、「まだ親が元気だから、親家片をリアルに感じられない」と思うかもしれませんが、いつ、そのときが来るかは分かりません。だからこそ、親が元気なうちに本書を読んでおいて損はないはずです。
(新刊JP編集部)
「親が施設に入ることになった」
「親が脳梗塞で倒れて、ひとり暮らしができなくなった」
「認知症を発症し、片づけられなくなった」
自分が40代や50代になると、親の介護にかける時間が増えてくることでしょう。しかし、親の介護とともに始まるのが、それまで“親が住んでいた家の片づけ”です。
2013年5月に出版された前作の『親の家を片づける』(主婦の友社/刊)は、「親家片」の深刻な側面をリアルにとらえ、これから「親家片」をはじめる人たちを啓発する本として、大きな話題を呼びました。
親が住んでいた家には、膨大な量の「もの」があります。何十年にもわたって住んできた我が家。そこには、親の人生がそのまま詰め込まれていると考えていいでしょう。だから、前作『親の家を片づける』を読んだ人の中には、「親家片」を「断捨離」と重ねたという人も少なからずいたはずです。
しかし、「親家片」は「断捨離」とは全く異なります。「親家片」とは、「二度と帰らない親との日々の反芻」であり、「ものを処分してすっきりする」ことが目的ではないからです。
だからこそ、今まで胸の奥におさめてきた親に対する感情が剥き出しになることが多いのが、この「親家片」の大きな特徴です。
本書では67人から、その実例が寄せられていますが、その中には、「親を責めたくなった」と本音を吐露する人もいます。
「自分の気持ちのコントロールが大変でした。どうしてこんなにゴミがあるのだろうと思うと、怒りが抑えられなくなることもありました」
「私から見れば不用なものに、なぜ父があれほど執着するのか全く理解できませんでした。ものを捨てると怒り出す父を、私はすごく責めてしまい、父はすっかり意固地になってしまいました」
「ひとりで膨大な親のものを片づけていたら、亡き母がじっと私を見ているかのような気がしてゾッとしました」
こういった声がいくつも寄せられ、さらに、あまりにもものが多いせいか片づけをしている間に物欲がなくなり、好きだったインテリアや雑貨にも嫌悪感が生まれるようになってしまったという壮絶な経験をしている人もいます。
また、「もっと親の面倒をみたかった」「もっとやれることがあったかもしれない」という親への想い、後悔がこみ上げてきたり、「私ひとりに(片づけを)押しつけられた」「いつも私だけが何もかもやらなくてはならない」など、兄弟や親せきに対する怒りを訴える人もいます。
親の家の片づけは、単なる「片づけ」ではありません。親と向き合う時間です。
そして、それは、大きなストレスを抱え込むことになる可能性もあります。
この『親の家を片づける 実践ハンドブック』では、どのように「親家片」を進めていくべきか、準備段階から具体的に丁寧に教えてくれます。また、本書の最後には「大変だったけれど、親家片をやってよかった」という体験者の声たちが載っており、「親家片」に対して希望を見出せるはずです。
特に30代の方は、「まだ親が元気だから、親家片をリアルに感じられない」と思うかもしれませんが、いつ、そのときが来るかは分かりません。だからこそ、親が元気なうちに本書を読んでおいて損はないはずです。
(新刊JP編集部)