今月11日、東京・日本武道館で引退試合を行うプロレス界の“鉄人”小橋建太。4日深夜放送、日本テレビ「Going! Sports&News」では、小橋の若手時代から数多くの試合実況を務めた福澤朗アナウンサー、引退試合(8人タッグマッチ)でパートナーを務める佐々木健介らが、小橋への想いを語った。

小橋が得意技であるムーンサルトプレスを放つ直前に見せるガッツポーズを“青春の握り拳”と表現するなど、幾つものオリジナルフレーズで人気を博した福澤アナは「ある種、戦いでしたね、小橋さんとの」と切り出した。

さらに、「いい映画とか、いいドラマを見た後、その感動を伝えたい時って“良かったよ”だけでは伝わらないから、どう良かったのか伝えたいじゃないですか。自分のボキャブラリーと、小橋選手との技との戦いがありましたね。これまでのボキャブラリーを超える何かを見せないと、小橋さんに負けるぞっていう危機感を常に持っていた」と語る福澤アナは、小橋の試合を「極限状態の実況って頭の中が、サイダーのようにシュワシュワーっとして、理性では分別が付かないような状況に陥る。一回脳を通らず、目から直に言葉が出てくる。後でどういう放送をしたか記憶がない」と振り返った。

そして、2005年7月、NOAHの東京ドーム大会で、小橋と合計200発以上のチョップを打ち合う死闘を繰り広げた佐々木は、「あのチョップを喰らえて、僕は嬉しかったっていうか幸せな気分でした。メチャクチャ痛いんだけど、チョップ一発に凄い気持ちを込めているんですよね。あの試合は、僕と小橋選手はチョップで語り合っていた。プロレス界を背負ってきた男の生き様が僕には感じられました」と明かす。

その他にも、「試合が終わってインタビュー終わって、控室に帰ったら僕は練習をはじめたんですよ。その話をマスコミさんから聞いた小橋選手はすぐ道場に行って練習をはじめたらしい」と語った佐々木。小橋のことは「本当に心から戦えてよかったと思える一人」と表現した。