台湾赤十字:日本の震災復興支援、心のケア重視へ

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(台北 11日 中央社)東日本大震災後、ハード面中心の復旧・復興支援を進めてきた台湾の「中華民国紅十字会総会」は今後、被災者のメンタルケアを強化するなど、支援の方向性を調整する。

台湾赤十字は震災後、日本赤十字社と協力し被災地での緊急援助を行っており、現在も被災3県での災害公営住宅や保育園、病院の建設などハード設備中心の中長期支援計画を続けている。

しかし2年間の活動の中で、心のケアを必要とする被災者が思いのほか多いことに気付かされたという。特に、震災で家族を亡くし沿海地域など隔絶された場所に1人で住む高齢の男性被災者は、女性に比べより孤独に陥り思いつめやすくなる傾向が観察され、同会は来月から岩手県の被災者心理ケア支援計画を新たに実施することになった。今後はその他の被災地での計画実施も視野に入れている。

また今月21日には、日本の公益団体、ローランド芸術文化振興財団と共同で、岩手県山田町で日台の演奏家によるコンサートを催す。

台湾の人々が紅十字会を通じて寄付した義援金は昨年10月までに全額日本赤十字社に送られ、今年2月28日時点でその総額(利息を含む)25億台湾元(約81億円弱)のうち96.6%がすでに被災地での復興に用いられたとされる。