一見何の変哲もないイスに男女が一人ずつ座っていくと、8人目が立ち去った後にイスの継ぎ目がじわじわと溶け出し、あっという間にバラバラの木片になって自壊してしまうのが「DRM CHAIR」です。

DRM CHAIR on Vimeo


何の変哲もないイスがステージの真ん中に立っています。


そこに男性が登場。


ゆっくりとイスに座ります。


しばらく休憩。


そして去っていきました。男性が立ち去ると、「カンカンカン」とどこからともなく音が響きます。


2人目が登場。


こちらも休憩。


退場すると再び音が響きました。どうやら人が座って立ち去る度に「カンカンカン」と音が響く仕組み。


3人目、今度は女性です。


休憩。


こんな感じで、4人目、5人目、6人目……と人が入れ替わりながら登場し、イスに座っていきます。


7人目が退場し……


8人目の男性がイスに座りました。


8人目が立ち去るとこれまでとは違った音が部屋に響きます。


そしてゆっくりとイスの足を液体が伝っていきます。


遠目で見ると、普通のイス。


しかし、近づくと、イスの継ぎ目から煙がもくもくと上がっているのがわかります。


正面から見るとこんな感じ。


床の液だまりもどんどん広がっていきます。


背もたれがパタン、と前方に倒れました。


そして……


ガシャン、と音を立てて自壊。


ばらばらの木片だけが残りました。


DRM CHAIRはチームを組み48時間で世界をよくするものを生み出し競争するゲームThe Deconstruction(脱構築)に投稿されたプロジェクトで、スイスの美大ECALの学生8人によって製作されたもの。イスにはセンサーが取り付けてあり、人が座った回数をカウントし、8人目に達すると煙をあげて自壊を始める仕組みです。DRMとはデジタル著作権管理のことで、映像などデジタルデータの利用や複製を制限する技術のことを言いますが、一定回数利用すると自壊して使えなくなるイスは、このDRMを可視化したものと言えます。なお、以下のページからプロジェクトの詳細などを見ることができます。

Les Sugus, Author at The Deconstruction
http://thedeconstruction.org/team/les-sugus/


製作現場の様子。


また、メイキングの様子は以下のムービーからも見ることが可能です。

Day 3-review on Vimeo




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