文春が渡辺えりと27歳年下俳優との関係を暴露【文春vs新潮 vol.73】
[文春]「渡辺えりに?飼育?された27歳下のイケメン俳優」
演技派の女優で知られ、最近は情報番組のコメンテーターも務める渡辺えり(58)。多くのテレビドラマに出演してきたので、名前は知らないが、彼女の顔は知っている読者は意外に多いと思う。
劇団を主宰したり戯曲で賞を獲るなど、渡辺の活動の原点は舞台である。ちょっとカワイかったりキレイだったりするだけでドラマに出演している女優らと渡辺は、決定的に異なる。舞台仕込みの本格的な演技力は、現役女優の中でも群を抜いているように思える。
その渡辺が、なんと10年にわたって27歳も年下の俳優を「飼育」していたと、週刊文春が報じている。元劇団員のコメントによると、無名の俳優「吉田くん」は、渡辺と「ずっと特別な関係」にあった。渡辺は「吉田くんを自分が買ったマンションに住まわせたり、ほかに引っ越すとその家賃を払ってあげたり」していた。
1996年に渡辺は、自らが主宰していた劇団に所属する13歳下の俳優と結婚し、その5年後に吉田くんとの不倫が始まっている。しかし、寵愛されるのも大変だったようである。友人が聞いた話として、「オレは籠の中の鳥だ」「(渡辺の)おもちゃだ」という吉田くんの嘆きが紹介されている。
結局、2011年になると吉田くんは若手女優の恋人を作り、渡辺もそれを認め、不倫関係は解消されたようだ。別れたショックで、渡辺は主宰する劇団を解散している。似たような話は、さまざまな組織にゴマンとあるような気がする。男にせよ女にせよ、強引に寵愛される側は大抵、組織内では立場が弱い者である。弱い側の合意を得ていれば寵愛しても構わないとは思うが、そうでなければ限りなくハラスメントに近い行為だと言える。
この話、なんとなくパワハラ&セクハラの匂いがすると思うのは筆者だけであろうか。
[新潮]「中断された新聞連載」
週刊新潮の連載コラム「あとの祭り」で作家の渡辺淳一氏が、「地方紙、十数社に連載していた、わたしの新聞小説、『愛ふたたび」が、突然、中止になった」ことを述べている。すでに「週刊ポスト」で取り上げられた問題らしいが、筆者は知らなかった。
新聞社が書き手の了承も得ず、「勝手」に連載小説を中止する。そんなことが、あるのだろうか。それも大作家の渡辺氏による連載を……。答えは、「ある」だ。「50年近く小説を書いているが、こんなことは初めて」だと渡辺氏は言う。
新聞社の「いいわけ」は、「内容が過激すぎるので」と言うもの。だが、渡辺氏は連載前に「今度の小説は、かなり過激な部分が入るかもしれません」と、新聞社に対して宣言していた。担当者は「かまいません。思いっきり書いてください」とも言っていた。
小説のテーマが「インポテンツ」である。73歳の男性医師が、インポになりながらも、付き合っている2人の「女性を手離さずに、愛の関係を続けることはできないものか」と思案を続け、「さまざまな努力の実態を描いたもの」となっている。
高齢者の性を考える渡辺氏のまなざしは、真剣そのものだ。小説は、「遊びや戯れではな」く、「高齢男性にとって無視できない、重大、かつ深刻な問題」を扱っている。渡辺氏の言い分を読む限り、書き手に無断で打ち切りにするようなものではないような気もする。
もちろん、筆者はその小説を読んでいないし、以上の文章は渡辺氏の言い分に基づいて書いている。少なくとも言えることは、新聞社たるものが、作家との約束を守れないようでは、どうしようもないということだ。自分に都合のよい小説しか載せないような新聞社は、きっと自分に都合のよいような記事しか掲載しない。そう思われても仕方がなかろう。
[今週の軍配]きゃりーぱみゅぱみゅの振り袖スナップが、それぞれ1ページを使って両誌に掲載されていた。きゃりー、おそるべし。新潮の誌面構成は、トップ記事がなく、「男の顔は履歴書 女の顔は請求書」という細かい記事の羅列で、目次を見ただけで読む気がなくなった。今週の軍配は文春。
【これまでの取り組み結果】(★は10勝)
文春:★★★ ☆☆
新潮:★ ☆☆☆☆☆
(谷川 茂)