誰もが気持ちよく過ごせる街を目指す。神戸南京町で”分煙タウン化”が進む

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9月30日(旧暦の8月15日・十五夜)は、中国の三大節句のひとつ、「中秋節」である。

月を愛で、秋の収穫を祝って地の神様を祀る節句のことであり、全国の中華街では獅子舞や龍の演舞などで盛大に祝うという。

神奈川県・横浜、兵庫県・神戸南京町、長崎県・長崎新地は、「日本三大中華街」といわれ、中秋節には多くの人が訪れる。

中でも、神戸・南京町では、分煙化を推進しており、訪れたすべての人が気持ちよく過ごせるための取り組みを行っているという。

今年3月、南京町のある兵庫県では、受動喫煙防止条例が成立した。

これにより、官公庁や病院、学校といった施設は全面禁煙に、百貨店やスーパー、大型の飲食店(客席面積が100平方メートル超)なども、喫煙室の設置による分煙が義務化される。

また、小規模の飲食店に関しては、店頭に喫煙可能表示をすることで喫煙を認められる。

同様の条例は神奈川県に続き、2例目という。

条例成立以前から、南京町では南京町商店街振興組合が中心となり、独自に「分煙タウン化」を目指す取り組みをスタートしている。

まずは、飲食店の店頭に喫煙環境を知らせるステッカーを表示した。

店の状況に応じて5種類のデザインを用意し、それぞれ喫煙・分煙・禁煙が一目でわかる。

そのため、喫煙者・非喫煙者ともに店に入る前に喫煙環境を知ることができ、結果として店に対するクレームも減っているという。

今年5月末には、南京町広場の近く、「大同行」の一角に誰でも利用できる喫煙所を併設した。

ドラゴンのモチーフが特徴で、外側はもちろん、内側にもあしらわれている。

室内はグリーンのライトで照らされており、クリーンな印象だ。

また、街の電柱には、喫煙所の位置を案内する看板を表示。

これにより、散策中の喫煙者を誘導し、歩きタバコをなくすもくろみだ。

さらに、喫煙所の場所と各飲食店の喫煙環境を示した分煙マップも配布している。

海外からの旅行者にも配慮し、中国語・英語・韓国語にも対応。

これは中秋節でも配布するという。

今後も、「吸う人・吸わない人、どちらも利用しやすい街づくり」を目指し、さまざまな取り組みを行っていくとのこと。

南京町では、中秋節にはチャイナドレス写真館や子どももちつき大会など、参加型イベントの実施も予定している。

また、満月を模した月餅も、期間中は南京町オリジナルが販売されるという。

今度の週末は、中国の伝統文化に触れながら、分煙マップを片手に南京町を散策してはいかがだろうか。