新しいマップで一番気に入っているミス(?)がこれ。ガソリンスタンドのマークで、Ministoppuという名前なのだけれども、中身はファミリーマートといういろんな意味で凄い物件です。友人に教わった時にはおなかを抱えて笑ってしまいました。
先日酔った時にこの話をしたら「ファミリーマート」に訂正されていたと思ったのですが、今開くとMinistoppuになっているので、酔った時の幻かもしれません……

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9月20日にiPhoneやiPad用の新しいOSであるiOS6が登場しました。そして翌21日にはiPhone5が発売されましたが、これにももちろんiOS6が搭載されています。

例によってひとつ前のバージョン(iOS5)から200以上の新機能が増えていたりするのですが、本当にiOS6にしていいのか? というところを、個人的に「これは!」と思った部分をふまえて解説していきたいと思います。

●実は進化していっているマップ?

マップのことは忘れましょう……というわけにはいかなくて。もうさんざん色々なところで出ていると思いますが、マップが大きく変わりました。Googleマップ(ゼンリンのデータを使用)からAppleのマップアプリになったのです(日本のデータはインクリメントP提供)。

このマップにもいいところはあります。マップの中でランドマークになっているところは、コンパス機能で向きが変わっても常にiPhoneの下方向が下になるよう、文字そのものが回転してくれたりします。自動車のナビ機能も見やすく進化していると言えるでしょう。

ただ、ランドマークとなる建物の数が少なかったり、飲食店に妙に偏っていたり、線路や駅が目立つように表示されないというのは今までのGoogleマップを使っていた身からすると非常に使い勝手が悪いように思えます。特に、個人的に大きいのは地下鉄の出口がわからないようになっているところが厳しいです。今までのGoogleマップでは地下鉄の出口がわかるようになっていて、さらに「3」とかの数値があるので「ああ、ここは3番出口が近いんだな」ということがわかりましたが、今回のマップではわかりません。

一応、これらのデータは日々修正されているみたいです。でも、まだ使い物になるかと言ったらそうではないことも事実です。ここはもう、マップのことは忘れて、まずはYahoo!ロコ地図とかブラウザ版GoogleマップとかMapFan(これは有料ですが)を試して、それらでいけると判断したらiOS6にアップデートしたときにそのアプリを使えばいいと考えましょう。

●Safariが良くなったり悪くなったり

iOS6ではSafariがパワーアップしています。iCloudとの連携が強化されていて、非常に便利になっています。何が便利になっているかというと、MacのSafariとの連携機能なのです。

iOS6のSafariのブックマークの中に「iCloudタブ」という項目が増えました。ここを開くと、iCloudで連携しているMacのSafariで開いているタブの一覧が出てくるのですね。

つまり、自宅のMacで開いたページを、そのまま外で見られるのです。家のMacをつけっぱなしで運用しなければならないという点はありますが、慣れるととても便利な機能です。

また、リーディングリストもオフラインに対応しました。これで、読みたいページを片っ端からリーディングリストに登録していつでもどこでも読めるようにする、という使い方がますます便利になりました。電波状況が不安定な地下鉄で読んだり、電波を出しちゃいけない飛行機で読めるのはとても大きなポイントですね。

あとは、Safariを表示しているときにiPhoneを横にすると、フルスクリーンボタンが出てくるのも地味にパワーアップした点と言えます。横表示の場合、アドレスバーとかがあると縦画面の幅が足りないと感じていたのですが、そこが改善された感じでしょうか。

ダメになった点は、正確に何が原因なのかわからないのですが、一部のWebアプリの挙動がおかしい点でしょうか。例えばSafariでGmailのページを開くと、何もしていなくてもいつまでもロードのくるくる表示が止まらなかったりします。あとは、デフォルトのフォントがヒラギノ明朝になったり、英数もおそらくヒラギノになったりしたので、それを想定していないページで一部デザインが少しおかしく表示されたりしますね(ちなみに推定ですが、iOS5では英数がヘルベチカ、日本語がヒラギノ。iOS6では全部ヒラギノ系になっているんじゃないかと思います)。

というわけで、Safari関連に関しては難しいです。基本的にはパワーアップをしているので、Webアプリの挙動がおかしいのを是とするかどうかで判断材料にするといいでしょう。

●Facebook連携で注意すること

iOS6の目玉のひとつがFacebook連携です。iOSとFacebookとが連携することで、通知メッセージからFacebookに投稿できたりするようになりました。Facebookをよく使っている人にはこれはうれしい機能ではないでしょうか。

何よりうれしいのは、FacebookのイベントカレンダーがiPhoneのカレンダーにそのまま同期されるようになったことです。FacebookのイベントをGoogleカレンダーやiCalにエクスポートする機能はありましたが、そのまま同期されるようになりました。個人的には、友人の誕生日データが同期されるのもありがたいですね。

ただし、連絡帳と同期をすると最初に戸惑うことが出てくるかもしれません。Facebookと連携をして連絡先をアップデートすると、連絡先のグループが大きくわかれます。例えばMacを使っている人の場合はこんな感じになります。

「iCloudのすべて」
「Facebookのすべて」
「Macからのすべて」

これはつまり、今まで作って同期させていたデータとは別に、Facebookからの情報を全て載せたグループがでてくることになります。そして、連絡帳アプリでは、ここにチェックを入れたグループしか表示されないのです。

例えばiCloudで「職場」というグループを作っていて、Facebookでは職場の人達とは一切つながっていない場合。「Facebookのすべて」にチェックが入っている状態では職場の人達は当然表示されないということになります。一瞬「データが消えた?!」と思うかもしれないのですが、グループを表示させて該当のグループにチェックを入れれば表示できるようになります。

そして、ここで表示されるアドレスデータはFacebookに記載されている電話番号情報などをそのままもってきていることになります。Facebookに登録する情報や、フレンドになる人に関しては今まで以上に注意をしないといけないかもしれません。

もちろんこの辺の機能はFacebookを使いまくっている人ではないと恩恵にあずかれません。なので、Facebook使っていないなーという人は、この点ではあまりiOS6にするメリットはないと言えるでしょう。

●パワーアップしたカメラ機能

iPhone5ではカメラがより明るくなりましたが、iOS6にするだけでカメラの新機能を使うことができます。その新機能とは「パノラマ」機能です。

カメラを起動して「オプション」を選び、「パノラマ」を選ぶことでパノラマ写真を簡単に撮ることができます。カメラボタンを押して、iPhoneを横にずらしていき、終わったところでカメラボタンを押すと自動的にパノラマ写真を作ってくれるのです。

これ、面白いです。東京駅で行われたプロジェクションマッピングのイベントで写真を撮ってみました(写真2枚目)。こんなところでもうまく綺麗に撮れるものなのですね。

ちなみにパノラマですが、左から右へとゆっくりカメラを動かして撮影します。ガイド線が引かれ、さらに上下にぶれないよう矢印も表示されるので、簡単にパノラマ写真を撮ることができるようになっています。中心線からずれると「下へ動かして」とかスピードが速すぎると「ゆっくり」とか画面に出てくるので、その指示にはきちんと従うようにしましょう。

また、本来はカメラボタンを押してパノラマモードをスタートし、もう一度カメラボタンを押して撮影終了するのですが、終了するときは進行方向と逆側にカメラを移動させてもパノラマ写真は自動的に終了します。つまり、左から右へゆっくり動かし、もういいやというところで左に切り返すとそこで撮影が終了されます。カメラボタンを触ると写真がブレちゃうという人はこの方法で撮るといいでしょう。

というわけで、この機能を使いたいのであればiOS6にするといいです。アプリで楽しんでいるよという人は特にしなくても大丈夫ですね。

●メールの添付が変わった!

メールはVIP機能という、特に優先的に返事をしなければならない人が入るリストを作れるようになっています。でも、ヘビーに使っている人は何らかの方法(Gmailでラベルを貼るとか)で対応している人も多いかもしれません。

というわけで、VIP機能よりも個人的にうれしかったのが、メールの添付機能です。今まではカメラロールを開き、送りたい写真を選び、そこから「メールで送信」を選ばなければなりませんでした。

それが、メール本文中で長押しをし、「選択/全選択/ペースト」とかが出ているところで出てくる→をタップすると「写真またはビデオを挿入」メニューが出てくるのです。これを選ぶとカメラロールから写真や動画を選び、そのメールに添付することができるのですね。

なので、メールを書きかけて、写真を添付したくなったり、1通のメールに2枚や3枚の写真を添付して送りたいときに便利になりました。

ちなみにカメラロールで写真を選択してメールで送ったりするところも非常にグラフィカルでわかりやすくなりました。この変化は大歓迎です。

というわけで、この辺に限ってはiOS6にした方が色々と便利ですよという感じです。

●おやすみモードが地味に便利

iOS5で通知センターができて、情報のハブとしてiPhoneを活用しやすくなりました。何でもかんでもiPhoneに通知させちゃおうというわけですね。これはかなり便利なんですが、夜に寝ているときにポコポコiPhoneが鳴ると、iPhoneを目覚ましにしている派としては非常に困るわけです。ミュートにすると目覚ましが鳴らなくて困るし、アプリごとに設定をしようにも、夜だけミュート機能がアプリに無いものもありますので。

そこで、おやすみモードです。通知センターで設定できるおやすみモードをオンにすると、指定した時間は通知が来てもサウンドが鳴らないようにできます。でも、緊急の連絡だけは受けられるように、着信を許可するものを指定できたりもします。さらに、同じ人から3分以内に2度目の電話があった「かけ直しの電話」を鳴らすようにもできます。これが、便利なのですね。

iPhoneを多用していて通知センターを多用していて、さらに目覚ましにも使っているという人なんかは今後必須の機能になるんじゃないでしょうか。

●まとめ

まだまだたくさん紹介したい機能があるのですが(例えば電話の通話の応答もパワーアップしていますし、共有フォトストリームはすごいし、iPadの方でもあれこれパワーアップしています)ずーっとiPhoneを触り続けているような人(もちろん自分のことを言っています)が気になる点はこの辺ではないでしょうか。

マップとSafariの部分以外はおおむねパワーアップといえそうです。この辺は、代替アプリを導入するか、今後のパワーアップに期待するしかありません。そういった代替アプリを探すのが面倒という人は、もうちょっと様子見をしてもいいと思います。特にSafariは結構頻繁に落ちるようになった印象があるので、ブラウザは他の物も併用する方がいいかもしれません。

そういった代替アプリを探すのが苦にならない人は、iOS6にアップデートするといいでしょう。細かいところは便利になっています。
(杉村 啓)