尖閣国有化を契機に、中国人の日中関係に対する評価がさらに悪化
日本政府による尖閣諸島国有化に関する調査 第3回
日本政府による尖閣諸島購入の直後に実施された中国でのインターネット調査で、中国消費者に現在の日中関係に関する評価を聞いたところ、「とても良好」の回答がなくなり、「まずまず良好」も7.4%にとどまった。「少し悪い」は43.5%で、「非常に悪い」が5割近くに達した。
■[多機能グラフ]中国消費者に聞く、現在の日中関係に関する評価(2012/09)
この調査項目は一連の調査の中でも極力尖閣国有化や反日デモを連想させない形で聞いた。その結果と、全く同じスペックで行った、やはり尖閣問題を契機に中国において2年ぶりに発生した反日デモの直後に行われた8月の調査と、2012年7月、2011年6月の調査結果と比べてみると、「急速に悪化している」というのが、多くの中国消費者の見方と言える。
現在の情勢を考えれば、当然の結果とも言えなくはないが、今回の調査結果や時系列に見たときの傾向を抜き出してみる。
まず、3000人規模の調査で、全くの誤差なく「とても良好」に回答が一人もなかったというのは、中国の消費者の間で、いかに現在の日中関係が危ういものかが広く認識されていること、また、異論の出る余地のない、定型化した日中関係評価が中国消費者の間に根付いていることを示すといえる。
過去調査との時系列において、「非常に悪い」が急速に増加しているのも特徴。「とても良い」や「まずまず良好」はもちろん、「少し悪い」からも、一気に「非常に悪い」へと回答が流れたと読み取ることができそうだ。
この調査は2012年9月14日から18日まで実施、有効回答数は男性1500人、女性1500人。日本政府による尖閣諸島購入を契機とした、中国国民の日本に対する感情変化や、日本企業の中国ビジネスへの影響などを定量的かつ客観的に図る目的のために行われた。サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が企画、設計、実査を担当した。(編集担当:鈴木義純)