ロンドン五輪が閉幕した。男子サッカーはメキシコが金メダル、ブラジルはまたしても五輪では勝てないというジンクスを打破することができなかった。

「呪われている」なんて声も聞くけれど、メキシコとの決勝戦では、単純に開始すぐの先制点が大きくものをいったと思うね。堅守を誇るメキシコとすれば願ったりかなったりのゴールで、ブラジルとすれば想定外の失点だ。ブラジルは引いて守るメキシコに苦しみ、時間が経つにつれ慌ててしまった。ボールを持って押してはいたが、「感情的な」サッカーになってしまったね。

この決勝戦が象徴するように、今回の五輪はディフェンシブな大会だった。ハイプレスで勝ち上がった日本もしかり。その日本を破った韓国のサッカーもそうだった。そうした流れの中で、メキシコの優勝は必然的だったように思える。
  
ところで日韓戦後に、韓国のパク・ジョンウという選手が「独島は我が領土」というプラカードを掲げたとして、波紋を呼んでいる。IOCが調査に乗り出し、該当選手は表彰式に参加しなかった。
 
この選手の行為は褒められたものではないけど、大統領がいきなり上陸したことに比べたら、たかが一選手のプラカードなど大したことではない。過剰に反応することは、同じ土俵に立つことと同意だよ。それよりも批判すべきは、韓国大統領の行為であり、それを許してしまった、あるいは対応できない日本の政府だろう。
 
日本の総理大臣は、竹島に行ったことがない。自分の国ならとっとと行けばいいじゃないか。それが、相手国の顔色を気にして、問題を先送りにする情けない政治的判断が、今回のような事態を生んでしまったのだ。日本は韓国に試合で負けて、外交でも負けたということだ。それが一番問題とすべきことじゃないかな。
 
政治とスポーツが別であるというのは綺麗事だ。IOCやFIFAが、何より一番政治まみれだろう。国と国との争いになる以上、両者はどうしても切っても切り離せないものであり、ときに互いを利用しあいながら進んでいくものだ。これは受け入れざるをえない、しょうがないことだと思うね。