相性抜群!異色の詐欺師コンビを演じる阿部寛と村上ショージ

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 映画『カラスの親指』で異色の共演を果たした俳優の阿部寛とお笑い芸人の村上ショージが、ラストシーンの追加撮影後、現場でのあれこれやお互いの印象について語った。直木賞作家・道尾秀介の同名小説の映画化作品である本作で、阿部と村上は詐欺師のコンビを演じている。

 村上が相棒役だと聞いた阿部は、「この異色な感じがすごくおもしろいなと思った」と言い、新たな挑戦に期待感でいっぱいだったよう。一方の村上は、「僕は申し訳なくてね。阿部さんや(石原)さとみちゃんとかが出ている中で、ゆうたらまあ、フレンチのコースの中に餃子が入ってきたような感じで(笑)。僕は役者でもなんでもないですからね、みんなに迷惑を掛けたと思うんですよ」と恐縮気味。

 村上には長ぜりふもあり、台本を覚えるのに苦労したそう。「現場で何日間もずーっと練習していて、すごく一生懸命頑張っているのが、はたから見ていてすごく滑稽だったんですけど(笑)。本当にショージさんは頑張っていたんですよ(笑)」と阿部が明かせば、「だって阿部さんが相手でしょー!! これが違う人だったらまだね、適当でええわってなるんですけどね」とベテラン俳優の阿部との共演に緊張をもって臨んでいたことを打ち明ける。

 また標準語のセリフにも悩まされたという村上は「標準語でしゃべれって言われても関西弁に近い標準語になっていると思うんです。もう標準語使わしたらほんま中国からの留学生より下手なんちゃうかなって(笑)」と告白。長時間にわたるアフレコ収録をしたのにもかかわらず、アフレコの方が変だと言われ結局現場での音声を使うことになったという悲しいエピソードも明かした。

 しかし阿部は、「ショージさんの演技っていうのは、ショージさんしか出せないものですからね。一緒にやっていてすごく刺激になった」とその存在感を絶賛。「言葉というものをすごくわかっていて、そこに人間味とか苦労とかをにじませることができる方なので、初めからショージさんだったらきっとやってくれるだろうなと思っていました」とコメントしている。村上も、阿部の役に入り込む姿は別格だったといい、「僕らが普段仕事で会うような人ではないじゃないですか。だから僕としたらこういう経験をできるっていうこと自体がほんとに宝物みたいな感じで、すごく幸せでした」と語るなど、劇中のコンビを思わせる相思相愛ぶりを披露していた。(編集部・市川遥)

映画『カラスの親指』は9月より全国公開