1日、プロ野球MVPが発表され、パ・リーグでは、福岡ソフトバンクホークス・内川聖一が選ばれた。

その内川――、中日ドラゴンズと対戦した日本シリーズ第2戦では、スコアレスで迎えた三回の一死一、二塁のチャンスに登場するも、中日ベンチからは、落合博満元監督が審判のもとへ歩み寄り、内川のバットに巻かれたグリップにクレームをつけた。

これにより、内川は以後の打席で凡打となり、ソフトバンクの流れを見事に断ち切ることに成功した落合氏だったが、両チームのファンを中心に、“なぜ、あのタイミングなのか”“心理戦”“狡猾”など賛否の議論が起こることにもなった。果たして、その真意とはなんだったのだろうか。

先月27日、TBS「S1」番組内では、落合監督と野村克也氏が対談を行っている。

落合氏が「(中日退団が発表されると)ある意味、楽になりました。負けたら終わるんだろうな。負けない限りは、11月になっても、ユニフォームを着ているんだろうと。8年前、監督になった時に、現場のことは全部やれってことを言われて、来年、それをやらなくていいんだ。野球の勝ち負けだけに集中すればいいんだって、ゲームそのものは楽になりました」と振り返ると、野村氏は「(楽天時代に)同じような体験してんだけど」と話すが、落合氏は「それ、プレシーズンマッチでしょ。俺はシーズン中だから。まだ4.5ゲーム(中略)監督の契約問題で、あんまり波風立てたくなかったから、選手には一切言ってないんですよ。球団が言うっていうから、“それはやめてくれ”と。現場預かってるのは私だから。勝手に選手の前で、その説明はしないでくれと。野球に集中させたいから」と説明。その後、二人の対談は、当然、日本シリーズのことにも至った。

「内川のところで抗議に行ったじゃない?あれは何なの?じらし?」と尋ねた野村氏に、落合氏は「あれは、俺は知らなかったの。そしたら、前の日から谷繁(元信)が内川のバットに何か入っているってことを言ってたの。あれは選手が先に見つけたの」と明かす。

「本当に入ってたの?何か?」と訊く野村氏に、「えー、まあ、こういう、丸ではないですよ。縦に固めたような・・・」と説明した落合氏。野村氏が「本人は何に利点があんの?」と続けるや、「ノムさん、ゴルフやります?」と切り出し、「俺もゴルフやらないから、よく分からないんだけど、もし専門家に言わせたら、“力の入り具合は違う”っていう。それがこのシリーズに関していえば、審判がOK出したから問題にならないでしょうけど、来年は問題になる」と言い切った。

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