日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」(4日放送)では、海外で活躍する日本人サッカー選手の中でも、“純粋にサッカーを続けたい”という想いから、タイに活躍の場を求めた、ある選手をクローズアップした。

同番組の調べによると、各国の3部リーグ以上でプレーをする日本人選手は、なんと133人。ヨーロッパ圏ばかりが注目される中、東南アジアでも、実に56人もの日本人選手がいる。

元日本代表・中田英寿氏が「僕らの年代では、多分一番有名な、一番うまい選手」と絶賛し、現在はタイ・プレミアリーグのBECテロ・サーサナで活躍する財前宣之(35)もその一人だ。

かつては、ヴェルディ川崎に在籍し、U-17日本代表時代は10番を背負った。当時を振り返った中田氏は、「僕が走って、ザイ(財前)が裏へ出してくるっていう、本当にコンビのような選手でしたね。財前のような選手がずっといたら、僕はずっと点取り屋のようにいただろうし、パスを出すというよりも貰う選手で居続けたと思う」と語るほど。

しかし、度重なる膝の怪我に悩まされ、2009年にモンテディオ山形から戦力外通告を受けた。番組のカメラに、「左(膝の前十字じん帯断裂)2回やって、右も1回やってる。ネジでじん帯とめている」と話した財前は、「どこいっても不良品扱い。自分の人生でも最も苦しい時期。引退も考えました」と明かす。

それでも、タイに渡った元ジュビロ磐田で現在はTOTの河村崇大、横浜FC、東京ベルディ等でプレーしたバンコク グラスFCの滝澤邦彦らと、食事会等を通じて励まし合い、切磋琢磨を続けている財前は、「やっぱりサッカーが好きで、どうしてもやりたいし、その中で(プレーできる)環境や状況、やる場所を貰って、タイというところで皆やっている」と現状を説明。「年齢とともに出場する回数が短くなるのは誰にでもあること。契約している限りは、何かをチームに落としていくのが自分の使命」と語った。

また、同特集では、小学校6年生にして、2ヵ月間のアルゼンチン留学を行う熊倉海渡君にもカメラが密着した。アルゼンチン3部のユースチームで練習し、将来はバルセロナ入団という夢を持つ熊倉海渡君は、「スポーツはスポーツだけど、個人個人の戦いって感じ。ポジション争いとか、競り合いの厳しさとか」と語り、年齢や国は違えど、ここでもまた戦いの厳しさを垣間見せた。