小さい軽い安い！ 新Kindleは買いなのか徹底検証してみた
Kindle3とそれよりも前のKindle、iPadの比較は米光さんのこちらの記事にお任せして、今回はKindleの新機能の紹介と、Kindle3（現Kindle Keyboard）との比較をしていきましょう。
キーボードがなくなり、シンプルなボタンになりました。右からホームボタン、メニューボタン、カーソル、キーボード、戻るボタンです。また、本体左右には「前のページへ」「次のページへ」ボタンが両方についています。
Kindleで削除されたのがオーディオ関連です。Kindle3にはイヤホン端子とボリュームボタンがついていて英語読み上げなどを行わせることができましたが、Kindleにはイヤホン端子がありません。
あとさりげなく変わったのが電源の仕組みです。Kindle3の電源はスライド式で、本体スリープ時でも画面に「Slide and release the power switch to wake」（電源スイッチをスライドさせて離すと起動します）と表記されていました。Kindleは電源ボタンになっており、ボタンを押すと起動し、起動しているときにボタンを押すとスリープします。最初は誤操作しやすいのではないかとも思ったのですが、今のところは誤操作を一度もしていません。
なお、充電は同じマイクロUSB端子ですが、KindleにはKindle3についてきたUSB-ACアダプタがついていません。欲しい人はKindle購入時に一緒に買った方がいいでしょう。
■キーボード
キーボードはキーボードボタンを押すと画面にソフトウェアキーボードが表示されます。でも液晶がタッチパネルではないので、カーソルを動かして1文字ずつぽちぽち打っていかなければなりません。これは面倒です。
なので、正直WebとかをKindleで見ようとは思いません。URLを入力するのが面倒すぎるからです。もし、キーボードでたくさん入力するのだったらKindle3やKindle Touchなどを買った方がいいでしょう。
ちなみにキーボードでできた文字の濃度変更や拡大などのメニュー呼び出しは、メニューボタンからZoom & Contrastを選んで設定するようになっています。
■大きさ
Kindleは圧倒的に小さい！ Kindle3も小さいと感じましたが、それに輪をかけて圧倒的に小さいです（縦166mm横114mm厚さ8.7mm Kindle3は縦190mm横122mm厚さ8.5mm）。キーボードが無くなったので当たり前ですね。いわゆる青年誌のコミックスのサイズであるB6版よりもさらに一回り小さいサイズで、持ち運びで邪魔になることはないでしょう。
液晶表示部分は6インチで変わりありません。ちなみに、6インチ＝15.24cmで、○インチ液晶というのは液晶の対角線の長さを表していたりします。文庫本の対角線が約7.1インチ＝約18.1cmですから、液晶部分は文庫本よりも一回り小さい感じです。
個人的におおっ！と思ったのがページ送りボタン。本体の縦が短くなったのですが、ページ送りボタンの大きさはほとんど変わっていません。やや幅は短くなったのですが、「次のページへ」ボタンはKindle Keyboardよりもほんのわずかに大きいぐらいです。本体は小さくしてもこのボタンの大きさは変えない、むしろ大きくするというデザインは、ボタンがあるからこそKindleを愛用している身としてはうれしいところです。
■重さ
もう、軽いです。圧倒的に。一度Kindleを味わってしまうともうKindle3に戻れない理由がここにあります。数値で見るとKindle3が241gなのに対してKindleは170g。なんと70gも軽くなっているのです。
70gではそんなに軽くなっていないかのように思えるのですが、実際に持ってみると実感できる軽さです。あおむけに寝っ転がって顔の上にKindleを持って読み続けても大丈夫。重さで腕がだるくなるなんてことはほとんどありません。
まさかあれほど軽いと思っていたKindle3を「重い」と思う時がこようとは思っていませんでした。
■データ保存容量
Kindle3では4GBあったメモリが2GBに変更されています。半分になっています。さらにシステムファイルなどの最初から入っている分があるので、データを保存できるのは1.4GBぐらいになります。ちょっと少ないかな？ と思う人もいるでしょう。
でも、自炊したデータ本のデータ容量が1冊40〜50MBだったとしても、40冊分ぐらいは入れられますし、1冊あたりのデータ容量が少なければもっと入ります。漫画などが中心でデータサイズが大きいとちょっと物足りないと思う感じでしょうか。
これに関しては、充電をするためにPCと接続をしたときに、データの入れ替えをするという運用をしていくのが良さそうです。
■気になる値段は？
Kindleを購入するのにいくらぐらいかかったかというと、送料込みで9800円（正確には9853円）でした。Kindle3を購入したときは15000円ぐらいかかったことを考えるととても安いと思います。
Kindleは広告あり（$69）と広告なし（$109）が選べるのですが、広告なしのインターナショナル版を購入することができます。
これに送料が$13.98かかり、合計で$122.98＝9853円で買えたというわけです。
■結局買いなの？
新しいKindleは買いかどうか。特に今後発売されるKindle TouchやKindle Fireが控えているのに買った方がいいかどうか、悩んでいる人も多いでしょう。
本を読むシチュエーションとして、電車の中で移動中を考えてみましょう。座れなかった場合、片手は本を、もう一方の手はつり革をつかんだ態勢で読むことになるかと思います。このとき、タッチパネルでページをめくるよりも、本体横のボタンで次のページへ行けるKindleの方が楽にページをめくることができるのです。しかも、右手でも左手でも同様に操作ができるのです。
iPhoneのように他の四本の指でしっかりホールドして、親指をフリーにしても問題ない大きさだったらタッチパネルで次々とページをめくっていけますが、Kindleのサイズでそれをやるのは若干難しく、両手を使わざるをえなかったりするでしょう。
当然、本を読むのは別に電車の中だけに限りません。寝る前に布団の中で軽く読む人もいれば、ソファーにくつろいで紅茶や珈琲を片手に読む人もいるでしょう。そのどのシチュエーションにおいてもKindleを片手で扱えた方がいいと思う人は、Kindle Touchではなく、Kindleこそが「買い」と言えるでしょう。
（杉村哲）
