【2011上半期アワードvol.2】目だけでなく耳からも楽しむ!映画の素晴らしさを再確認
2011年上半期に公開された作品の中から、ムービーエンターの編集部員が独断と偏見でベスト10を選ぶ「編集部的上半期アワード」。興行収入や受賞作品などの枠にとらわれずに、4週に渡ってランキングを紹介していきます。記念すべき第1回「ヒーロー妄想のカンタ」に続いて、今週は「映画は芸術ハラ」がベスト10をチョイスしました。
第8位の『塔の上のラプンツェル』は、1937年公開の世界初長編カラー・アニメ『白雪姫』から数えて、記念すべき第50作目のディズニー長編アニメに相応しい作品。中川翔子がラプンツェルの声優を担当する日本語吹き替え版もオススメです。第9位の『孫文の義士団』は、辛亥革命100周年を迎える今年、『レッドクリフ』を彷彿とさせるアジア映画です。そして、第10位の『鬼神伝』は、渡辺謙 主演の『沈まぬ太陽』や妻夫木聡 主演の『悪人』に続き、映画主題歌「STARLIGHT」を歌う福原美穂の主題歌が名曲。主題歌やサウンドトラックに注目して、目だけでなく耳からも映画を楽しむことをオススメします。
・インタビュー:福原美穂「どっちが良いとか悪いとかではなく“調和”」(2011年04月28日)
02位 SUPER8/スーパーエイト
03位 婚前特急
04位 東京公園
05位 ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー
06位 BIUTIFUL ビューティフル
07位 ブラック・スワン
08位 塔の上のラプンツェル
09位 孫文の義士団
10位 鬼神伝
次回、vol.3は、7月11日(月)に女子力勉強中ナカムラの2011年上半期ランキングをご紹介。お楽しみに。
・編集部が振り返る“心に残った映画”『2011上半期アワード』
・編集部的映画批評
第1位『悪魔を見た』
『ソーシャル・ネットワーク』が席巻した1月でしたが、昨年の「東京国際映画祭」ですでに公開されていたので敢えて選ばず、翌2月に公開された韓国のトップスター、イ・ビョンホン主演のサスペンス・ドラマ『悪魔を見た』を1位に選びました。イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官は婚約者を惨殺され、『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク演じる悪魔のような殺人鬼に生き地獄を与えるように追いつめて行きます。そこにあるのは抑え切れない憎しみと、常識では理解不能の悪意。韓国映画には、華やかなラブコメやメロドラマが陽の目を浴びる裏で、目を背けたくなるような残虐シーンが終始するR-18作品が息を潜めています。144分間、緊張感を味わいたい人は是非。夜道の一人歩きが怖くなること必至です。第2位『SUPER8/スーパーエイト』
第2位は、上半期最終週に公開されたばかりの『SUPER8/スーパーエイト』。J.J.エイブラムス監督作品もあり、米軍が極秘で輸送していた“何か”の正体が謎を呼びますが、根底にあるのは世界中を魅了した『E.T.』のような往年のスティーヴン・スピルバーグ作品で描かれる、幼年時代の冒険物語。主人公の少年ジョーとヒロインのアリスとの淡い恋物語を観て思わず微笑ましくなるような、映画の素晴らしさを再確認させてくれる作品です。難しいことは抜きにして、純粋な心で映画を楽しんでみて下さい。第3位『婚前特急』
第3位は、吉高由里子が5股をかける24歳の女性チエを演じる『婚前特急』。加瀬亮が演じる“包容力のあるバツイチ”、SAKEROCKの浜野謙太が演じる“楽のできる冴えない男”など、年下から年上まで登場する個性豊かな5タイプの男性は、映画を観る女性にとって、自分の身近な男性に置き換えて“結婚”をシミュレーションする良い機会となるハズです。一方、5股をかけられる男性にとってはなかなか共感するのが難しいかもしれませんが、この映画で女性心理を学んでみては如何でしょうか。第4位『東京公園』
第4位は、美男・三浦春馬と3人の美女、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥によって穏やかに描かれる『東京公園』。三浦春馬が演じるカメラマンの卵・光司は、井川遥が演じる子連れの女性・百合香の姿を追って、東京中の公園を巡ります。その一方で光司を取り巻く、榮倉奈々が演じる親友の元カノ・富永と、小西真奈美が演じる義理の姉・美咲との関係性にも徐々に変化が現れていき…。舞台となる東京に点在する公園や、光司の部屋など、どこもが温かい日差しに包まれていて、公園の芝生で昼寝をするような、観る人の心を優しく包んでくれる作品です。第5位『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』
第5位は、ゴールデンウィークに公開された、弱冠16歳のスーパースターのドキュメンタリー『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』。動画共有サイトYouTubeから誕生し、2009年にデビュー後、翌2010年に発売した2ndアルバム『マイ・ワールド2.0』で史上最年少で全米1位を獲得。本作では、2010年に行われたコンサートツア―に密着しながら、NYマディソン・スクエア・ガーデンでのライブを成功させるまでの彼の素顔を、スタッフの声を通じて紹介しています。LADY GAGAに次いで、1千万人のTwitterフォロワーを有する彼ですが、ファンへのサプライズや、自分の髪の毛をオークションに出品し、落札額をチャリティで寄付するなど、人気の理由が頷ける内容になっています。第6位〜第10位
第6位の『BIUTIFUL ビューティフル』は。『食べて、祈って、恋をして』でジュリア・ロバーツのハートを射止めたバビエル・バルデムが一転、末期がんに侵され、余命2ヶ月の父親を熱演。菊地凛子をアカデミー賞にノミネートさせた『バベル』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャトゥ監督による同作は、人生の意味を考えさせられる“美しい”人間の姿を描いています。第7位の『ブラック・スワン』は正直、予想通りの展開だったのですが、サスペンス好きなので、上半期のメジャー作品の中から敢えて選びました。第8位の『塔の上のラプンツェル』は、1937年公開の世界初長編カラー・アニメ『白雪姫』から数えて、記念すべき第50作目のディズニー長編アニメに相応しい作品。中川翔子がラプンツェルの声優を担当する日本語吹き替え版もオススメです。第9位の『孫文の義士団』は、辛亥革命100周年を迎える今年、『レッドクリフ』を彷彿とさせるアジア映画です。そして、第10位の『鬼神伝』は、渡辺謙 主演の『沈まぬ太陽』や妻夫木聡 主演の『悪人』に続き、映画主題歌「STARLIGHT」を歌う福原美穂の主題歌が名曲。主題歌やサウンドトラックに注目して、目だけでなく耳からも映画を楽しむことをオススメします。
・インタビュー:福原美穂「どっちが良いとか悪いとかではなく“調和”」(2011年04月28日)
映画は芸術ハラの2011年上半期アワード
01位 悪魔を見た02位 SUPER8/スーパーエイト
03位 婚前特急
04位 東京公園
05位 ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー
06位 BIUTIFUL ビューティフル
07位 ブラック・スワン
08位 塔の上のラプンツェル
09位 孫文の義士団
10位 鬼神伝
2011年上半期、ちょっと残念だった作品『ツーリスト』
ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーが初共演を果たし、イタリア・ヴェネチアを舞台に展開する極上のラブ・サスペンス『ツーリスト』。期待値が高かっただけに、余計に裏切られたショックが大きかったです。『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『アリス・イン・ワンダーランド』など、ジョニー・デップは空想上の存在であり続けてもらいたく、これといって特長の無い一般人を演じられてしまうと、タダのオジサマ(失礼)に見えてしまいます…。また、『トゥームレイダー』で知られたアンジェリーナ・ジョリーには『ソルト』のように、いつまでも華麗なアクションを披露して欲しいという、勝手な想いも含まれています。2011年下半期注目の映画『ハンナ』
『ニキータ』のアンヌ・パリロー、『レオン』のナタリー・ポートマンに次ぐ新たなヒロイン像として、『ラブリー・ボーン』のシアーシャ・ローナンが“無垢な殺人マシーン”ハンナを演じる、8月27日公開の『ハンナ』。相対するのは、今までのエレガントなイメージを見事に払拭し、冷徹で偏執的なマリッサを怪演するケイト・ブランシェットがハンナを執拗に追い詰めます。そして、今夏フジロックフェスティバルのヘッドライナーとして来日も決定しているケミカル・ブラザーズが映画音楽に初挑戦しているのも見逃せません。次回、vol.3は、7月11日(月)に女子力勉強中ナカムラの2011年上半期ランキングをご紹介。お楽しみに。
・編集部が振り返る“心に残った映画”『2011上半期アワード』
・編集部的映画批評
映画は芸術ハラの2011年上半期総括
意図的にメジャー作と単館系は外しつつ、劇場公開時期を過ぎていることもあり、今後DVDをレンタルする時の参考にチョイスしました。個人的には製作者のメッセージを感じられる作品や、光と陰、人間の外見と内面の両方を描いた作品が好きなのだと改めて実感しました。