ロングコースならではのタイムアタックでの工夫とは?【ニュルブルクリンク24H】
F1でもスーパーGTでもヴィッツのワンメイクでも自動車レースの予選は、ピットを出たクルマがコースを1周してスタート/フィニッシュラインを駆け抜け、計測開始…ですが、何しろニュルブルクリンクは世界最長の常設サーキット。1周するのにおよそ10分はかかります。そこで、ニュル24hでは一風変わったスタイルのタイムアタックを行います。
24hレースで使用するピットはF1でも使用するグランプリコースのピットガレージ(まぁ、ここも面白いトコですが、次回にでも)です。ここのピットレーンを出たマシンは、グランプリコースを周回し、ノルドシュライフェに出て…いかず、グランプリコースの最終コーナーを回り、スタート/フィニッシュラインを通過…計測に入ります。この周はそのままグランプリコースを周回、最終コーナーで曲がらずに進むと、ノルドシュライフェへの挑戦が始まります。
ではピットインの時はどうするのか。
全速力でタイムアタックに入ろうとするマシンと交差してピットイン…なんて怖い事をする筈はなく、そのまま、グランプリコースを周回、最終コーナーで最も内側を周回してグランプリコースのピットに辿り着くのです。ショートカット有りの1周アタックでもピットアウト5km+アタックラップ25km+ピットイン5kmで35km走らなければなりません。富士スピードウェイなら8周弱、鈴鹿サーキットなら6周弱ですね。とんでもない距離です。
ここで実際に起きた面白い話を一つ。タイムアタックに出て行ったマシンにはニュル24hレース初出場の通称“達人”が乗っていました。達人はノルドシュライフェの周回経験は大変豊富です。前日現地入りでぶっつけ本番ですが、チームスタッフは安心して見送りました。程無く達人はストレートを駆け抜け、タイムアタックに…駆け抜けずにピットに戻って来ました。すわ、トラブルかと色めき立ち、車に駆け寄るスタッフ。ところが達人、開口一番「道、間違えちゃった」
グランプリコースの最終コーナーは本番レースではショートカットしません。予選日に限ってショートカットが認められています。そこで、レーンを3つに区切っているのですが、普段ノルドシュライフェのピットしか使わない達人はうっかりオフィシャルの手招き?に導かれるまま一番内側で廻ってしまい、ホームストレートに戻る事が出来なかったのです。達人は改めてのタイムアタックに気恥ずかしそうに旅立っていきました。
さて、そんな特殊なルールもあるニュルブルクリンク24時間レースですが、ここ数年ぐっと力を入れて来ているのがスバル+STIです。GRBインプレッサの登場と共にSTIによるニュルチャレンジを開始しました。今年は4ドアのWRX STI tSをベースしたマシンで出場します。ドライバーには日本から吉田寿博/佐々木孝太/Mercel Engels/Carlro Van Dam(カルロ・バン・ダム)の4選手で挑戦します。セダンボディはハッチバックと比べると車重は増しても、空力パーツの取り付け位置で有利です。超高速サーキットのニュルブルクリンクでは武器になるとともに、ドライバーのストレス軽減にもなる事でしょう。今年は同じクラスには宿敵ランエボが不在ですが、ライバルはAudi TTを始め、Mini Cooper、VW Golf GTI、SEAT Leon、Opel Astra等、世界のツーリングカーレースで活躍するマシン達です。。
STIインプレッサの活躍を期待しましょう。
STIのHPでもこちらでライブレポートが行われる様です。http://www.subaru-msm.com/NBR24H2011/index.html
(川崎BASE)
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