倉木:いつもだと結構ゆったりと、言葉を噛み締めながらみんなに伝えるような歌い方をしていたんですけど、今回は趣旨として「ソフトボーイ」という映画の部分も考慮しながら作っていったので、自然とああいう形になって。私の中では結構衝撃的で、みんなも多分もうライブで欠かせなくなっているので、きっと初めはビックリされた方も沢山いたと思うんですけど。じっくりの「chance for you」から、みんなで気持ちを上げて頑張っていこうというような、テンポのいい「chance for you」もアリかなと思って作りました。

――5年前にオリジナルの「chance for you」を発表されてから、ライブでもずっと歌い続けていますが、倉木さんにとってどんな存在の曲ですか?

倉木:身体の一部になっているような曲です。本当にちょっと落ち込んだりする時がたまにあるんですけど、そういう時にみんなの顔が浮かんでくるんですよね。ファンの子達が夢に出てきて「頑張れ!」と言ってたり、その時に“傷つく事を 恐れず今は”って「chance for you」が頭の中をすごくよぎるんですよ。それぐらい、もう私にとってはみんなとの家族的な歌が出来たなと思って、大事な存在です。

――制作当時で、記憶に残ってることはありますか?

倉木:「一気隊」といって、みんなで一緒に歌っている所を録ったんですね。自分一人じゃなくて、色んな人の声を入れることによって、その人自身の持っているパワーが歌に集結されて。「自分一人じゃないんだ、頑張っていこう!」という切り替えが出来るんじゃないか?ということに、すごくこだわっていた制作だったなと思います。

――今回の「SUMMER TIME GONE」に、「夏になると なぜか海が恋しい」という歌詞がありますよね。

倉木:海って、色んな人の想いを置いていったり捨てていったり、日常生活からちょっと現実逃避できる場所なんじゃないかなって、すごく思うんですよね。私もよく海に行って、何をする訳でもなく、風に吹かれて、ちょっと日陰がある所で一人でボーッと景色を眺めたりします。

――何か夏の想い出はありますか?

倉木:夏の想い出は、やっぱりライブかな。「DIAMOND WAVE」のツアーを回っていた時に、ものすごく暑いのにも関わらずライブ前に楽屋口にみんなが待っていてくれたこととか。ツアー中の思い出が多いですね。

――夏バテ防止とか気を付けられてますか?

倉木:今は、「梅肉エキス」をスプーン一杯、水に溶かしてハチミツを入れたものを毎朝飲んでいて。血液がすごくサラサラになって、夏バテ防止にいいので、オススメします。

――恋愛について、男性は別名で保存して、女性は上書きで保存するなどとも言いますが、倉木さんはどう思いますか?

倉木:人によるので、一概にそうとも言えないと思うんですよね。そうは言っても、やっぱり誰しも1日でパッと想いを断ち切れるかと言ったら、絶対に断ち切れないと思うし。女性は強がっているんですよ。本当は断ち切れていないけど、次に向かわなきゃというハングリー精神的なものが多分、本能的にあると思うんですよね(笑)。でも、私はどちらかというと、男性タイプで残されていく感じですかね。立ち直れないんです…。そして時が解決していくというパターンです。

――「destiny」という歌詞もありますが、運命は信じますか?

倉木:信じます!デビューしてから今まで、出会いとか運命ってすごく感じるんですよね。まさに今回の「anywhere」という楽曲も、ちょうどニューヨークに行った時に、たまたまPink Floydというバンドでキーボードを弾いている方が来ていらして、曲を提供して下さったんですよ。もしニューヨークに行ってなかったら、こういう楽曲にも会えなかったし、自分の音楽性の幅も広げることも出来なかっただろうし。そういう一つ一つの出会いって繋がるんじゃないかなと思うんですよ。だから「運命ってあるんだな」ってつくづく思いますね。