――今回、2年連続でKOSE「エスプリーク プレシャス」のイメージキャラクターを務められていて、CM映像を見させて頂いたんですけど、今までになく他の出演者も登場してますね。

倉木:そうですね、今回はすごく斬新なシチュエーションで。人生が始まってから、あれだけ大勢の外国の方に、一斉に近距離で見つめられたことは無かったんですが、これから先も多分もう無いんじゃないかと思うぐらいの経験をさせて頂きました(笑)。

――何人ぐらい、いたんですか?

倉木:35名とか。すぐ近くの距離で、しかもオペラグラスを持って拡大ですよ。そりゃあ緊張しました(笑)。

――今までの撮影と比べて、大変だったことはありますか?

倉木:見られてハッとしている目の表情とか、表情の出し方かな。アーティスト倉木麻衣のイメージとはまた違った、ビューティーな倉木麻衣という世界観を見せるにはどうしたらいいのかをすごく考えて撮りましたね。

――何か撮影スタッフの方からリクエストされたことはありましたか?

倉木:最後にウィンクをする予定ではなかったんですよ。最初は「うる桃」というキャッチコピーを私が言って、笑顔で締めくくるというパターンだったんですけど、何かちょっとスパイスが欲しかったんでしょうね。「ウィンクを出来ないか?」と急遽言われまして。ウィンクって、小さい時ぐらいしかした記憶が無いなと思って。やってみたんですけど、最初は上手くいかなくて、もう何回も撮り直して。最後やっと良いのが出来て、アレになりました。結構、恥ずかしかったです(笑)。

――今後、芝居や演技の仕事に興味は無いですか?

倉木:意外とミュージックビデオとかって、そのシチュエーションで歌うので、もう歌自体、演技的な、芝居が絡んでいると思うんですよね。演劇部にもいたので、そういうのは好きなんですよ。かといって、ドラマに出てみるとか、演技をやるかと言われたら、そこはちょっと。ライブとかプロモーションビデオとかの方で、もうちょっと自分の演技力というか、幅を広げたいなと思っています。

――実際に、例えば街中で視線を感じたことはありますか?

倉木:例えば今、KOSE「エスプリーク プレシャス」の自分のポスターがあるじゃないですか。私もお店に入って化粧品売り場に行ったりするので、それを忘れていて通った時に、自分と対面する訳ですよ。その瞬間に「ハッ!」となって、まず周りを気にするんです。それでパッと後ろに隠れて、ちょっと様子を伺うという感じで、ビックリするんですよ(笑)。別に悪いことをしている訳じゃないんですけど、「あっ!」という緊張感が走りますね。

あと、渋谷を歩いていて交差点を横断する時に、マスクをした男の人から「ちょっとすみません、○○事務所のスカウトなんですけど」って声を掛けられたことがあって。それで、私の顔を見た瞬間にパッと「あっ!もう入られてますね…」という(笑)。「倉木麻衣と思われたのかな?」って、ちょっとドキッとしましたね。本当に普段はもう素の自分なので、ビックリして。

――2年連続でイメージキャラクターを務められることに対して、意識されるようなことはありますか?

倉木:本当に“美”というものに対して、意識するようになりましたね。メイクって特に肌が重要なので、よりスキンケアとかを大事にしなきゃと思って。今、夏で日差しが強いので、焼けないように50SPFの日焼け止めを塗って、日陰を探して、トカゲみたいにビルとビルの間を歩いて行く感じです(笑)。日陰でも焼けちゃうので油断はできないですけど。

――2曲目の「anywhere」に「少女に戻れるの」という歌詞がありますが、自分が大人の女性に成長したなとか、逆にまだ少女の部分を持っているなと感じることはありますか?

倉木:意外と10代の頃の方が「妥協」という言葉が無かったんですよ。もうストイック過ぎちゃって、「こうじゃなきゃいけない!」というような。だけど大人になったら、「そういう路線もあるんだね」という、いい意味で「妥協」を覚えられたのが、すごく大人になったなと思います。昔の方が、何でも真っ直ぐで頑固というような。柔軟になったと言うのかな。