企業のコミュニケーション活動における「マニュアルの壁」について考えます。

ブランディングを含め、企業の内部・外部へのコミュニケーション活動には、
「ルール(約束)」「ツール(道具)」「ロール(役割)」の3つの要素が、
きちんと組み合わされて機能していることが重要です。

ルールとは、経営方針や企業理念、あるいは営業戦略といった伝達すべき概念。
ロールとは、社長から部長、課長、係長、パート、アルバイトに到るまでの
それぞれの持場で果すべき役割。ツールとは、概念を伝達するためのあらゆる
道具(メディア)です。

ルールが機能しないというのは、「役割」の認識が不十分なのか、ルールの
「意味」を伝えきれていないのか、伝えるための「道具」が不十分なのか、
あるいはルールそのものに不備があるかのいずれかです。

よく、「マニュアルどおりにやらせているが、結果がでない。こんなことじゃ
何のためのマニュアルか分からない。」というような意見を聞きますが、多分
言っている本人も、マニュアルだけで物事が進むとは、思っていないはずです。
マニュアルは、経営の概念を実現するための「やるべきこと」や「やり方」を
定めているので、ついルールのように思いがちですが、実際に人が触れるのは
「道具」化されたマニュアルであって、ルールそのものではないからです。

では、どうすればマニュアルは機能するようになるのでしょう?

マニュアルの最上位概念に「ミッション」があります。
企業なら「コーポレート・ミッション」、ブランドなら「ブランド・ミッション」です。
そして、その間に「モチベーション」と「モラル」という価値観が位置づけられると
私は考えています。

「ミッション」は直訳すると「使命」になりますが、ブランディングに限って
言えば、ブランドを確立するための「使命」であり、ブランドの約束を実現する
ための「必然性」とでも言うようなニュアンスでしょうか。

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