「価値構造を変化させよ!」ヒット商品に学ぶそのヒミツ!/金森 努
どこにでもある、ありふれた「コモデティー品」や、もはや使用する人も少なくなった、プロダクトライフサイクルの「衰退期」にある商品。そんな商品が思わぬヒット商品に化けることもある。2つの商品を例に、そのヒットのヒミツを探ってみよう。
「マスキングテープ」をご存じだろうか。
マスキングテープとは、元々は塗装などを行う作業現場で、塗料が不要な部分に付着しないようにカバーする道具である。必要な分だけを引き出して、簡単に手でちぎれる。貼って、簡単にはがせる。はがした後も糊の跡が残らないというのが特徴だ。
そんなプロ用の、使い捨て資材が色とりどりの雑貨として生まれ変わった。
カモ井加工紙株式会社の「mt(masking tape)」だ。
http://www.masking-tape.jp/about/
もともと、マスキングテープははがしやすさから、資材識別のための一時的な目印として用られることもあったので、様々な色展開があった。そして、素材として和紙が使われているため、その風合いがいいとして雑貨小物として利用するファン層があったという。
その熱心なファンから、さらに色展開や模様などをプリントした商品を開発するように促され、商品化に至ったのだ。
マスキングテープの本来の「中核的価値」とは何だろうか。それには、カモ井加工紙株式会社の出自が大きく関係する。
同社の歴史は、大正12年に害虫であるハエを捕る「ハエ取り紙」の製造・販売からスタートした。「ハエ取り紙」を知らない世代も多くなっているはずだが、部屋の天井からリボン状の紙をつるしておき、ハエがたかると、紙にコートされている粘着材で動きが取れなくなるというモノだ。つまり、カモ井加工紙のコアの技術は「粘着」なのだ。
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「マスキングテープ」をご存じだろうか。
マスキングテープとは、元々は塗装などを行う作業現場で、塗料が不要な部分に付着しないようにカバーする道具である。必要な分だけを引き出して、簡単に手でちぎれる。貼って、簡単にはがせる。はがした後も糊の跡が残らないというのが特徴だ。
そんなプロ用の、使い捨て資材が色とりどりの雑貨として生まれ変わった。
http://www.masking-tape.jp/about/
もともと、マスキングテープははがしやすさから、資材識別のための一時的な目印として用られることもあったので、様々な色展開があった。そして、素材として和紙が使われているため、その風合いがいいとして雑貨小物として利用するファン層があったという。
その熱心なファンから、さらに色展開や模様などをプリントした商品を開発するように促され、商品化に至ったのだ。
マスキングテープの本来の「中核的価値」とは何だろうか。それには、カモ井加工紙株式会社の出自が大きく関係する。
同社の歴史は、大正12年に害虫であるハエを捕る「ハエ取り紙」の製造・販売からスタートした。「ハエ取り紙」を知らない世代も多くなっているはずだが、部屋の天井からリボン状の紙をつるしておき、ハエがたかると、紙にコートされている粘着材で動きが取れなくなるというモノだ。つまり、カモ井加工紙のコアの技術は「粘着」なのだ。
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