『8時だョ!全員集合』で一世を風靡。ドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)のベテラン刑事・和久平八郎の渋い演技には、痺れたなぁ・・・。いま生きておられたら、この日本を見て何て言うのかなぁ・・・。

若い人達にとってのいかりや長介さんは、1997年に放映されたドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)のベテラン刑事・和久平八郎役だろう。しかし、昭和30年代生まれの我々にとってのいかりや長介さんは、『8時だョ!全員集合』の、下唇べろんちょであり、ダミ声のリーダーであるのだ。

そのドリフターズのリーダーであったことの苦悩について、自著「だめだこりゃ」(新潮文庫)で、こんな風に語っておられる。その内容が、ベテラン刑事・和久平八郎のセリフのように、なかなか味わい深い。いまの日本のリーダー達は、心して聞くべきだ。

『ドリフを始めたときは、誰一人として、まさかドリフの名前を墓場にまで持っていくことになるとはおもわなかったはずだ。
すべては成り行きだった。偶然だった。誰一人、ずば抜けた才能を持つメンバーはいなかった。他人を蹴落としてまで芸能界で生き抜いていこう、という根性の持ち主もいなかった。テレビに出始めた頃に「クレイジーキャッツみたいになろう」とおもったくらいで、確固たる目標すらなかった。
ドリフターという言葉を英語の辞書でひけば、流れ者とか漂流物と書いてある。私たちは名前通り、漂流物のように潮の流れるままに流されてきたのだとおもう』

『私は長男で、上に相談に乗ってくれる兄弟はいなかった。なぜかわからないけれど、いつも私が何かを決定しなければならない立場に立たされてきた。静岡でのバンドのときもそうだった。ジミー時田のところにいたときも、リーダーではなかったのに、そういう立場になってしまった。外部との交渉係・渉外担当。何かの決定役はいつも私だった』



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