2008年末に行われたM-1グランプリで、ノンスタイルが優勝しました。この優勝者でよかったのか、という議論が出たのはM-1史上初だそうです。


それを裏付けるように、年明けからのバラエティ番組出演やCM起用では、むしろ2位だったオードリーの躍進が目立ちます。

これには、オードリー春日の、ネタを披露しなくても立っているキャラ設定や超節約家であるという「第二のキャラ」が貢献しており、一方のノンスタイルは逆にネタ番組をメインに選別を行うという方針があるのかもしれません。

M-1当日の焦点を、私なりにとらえると、「新しい笑い」vs「既存の笑い」という構図にみえます。オードリーとナイツは、これまでにないスタイルの漫才でブレイクしたコンビであり、ノンスタイルは既存の漫才を勉強して自分たちのしゃべくりに昇華したというスタイル。

決してM-1の審査基準に「斬新なスタイルの漫才であること」という絶対項目があるわけではありません。しかし、2007年のM-1で完成度の高かったキングコングが、新しいスタイルで敗者復活から勝ち上がってきたサンドウィッチマンにまったく歯が立たなかったのは、勉強してきただけでアイデアがなければだめです、という意思表示だったのではないかと思うのです。

なにしろ、2007年本選でのキングコングは、よく練られたネタ、スピードで臨み、欠けていたのは新しさだけ。いわゆる、ベタな笑いだったのです。

たしかにサンドウィッチマンは「新・旧」スタイルを問うまでもないおもしろさが爆発していたのは事実です。

しかし、そこには全国区の笑いと吉本の笑いとのギャップがあることが浮き彫りにされたかたちなのではないでしょうか。

たとえば、“天下を取った”芸人でいえば、大阪出身者はほとんどいません。

ビートたけし=東京    タモリ=福岡    明石屋さんま=奈良
所ジョージ=埼玉     志村けん=東京
島田紳助=京都      とんねるず=東京

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