「あと5分」小島可奈子を襲った異常な眠気は病気のサイン。睡眠時無呼吸症候群を招いたまさかの原因は「鼻の骨」だった
「私はただ寝るのが好きな体質なんだ」──そう思い込んでいた元グラドルの小島可奈子さん。休日に17時間も眠り、毎朝「あと5分」と重い体を無理やり起こす日々は、怠けではなく「睡眠時無呼吸症候群」という病気のサインでした。寝ているはずなのに体が「戦闘状態」になる、異常な眠気の正体とは。
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寝るのが好きな体質だと思っていたら
── 1990年代後半にグラドルとしてデビューし、現在は実業家としても活動する小島可奈子さん。長年悩まされてきた「異常な眠気」の正体が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であり、その治療のために手術を受けたことを公表されました。
一般的には「恰幅のいい中年男性の病気」というイメージが強いのですが、スレンダーな小島さんがなぜこの病気と向き合うことになったのでしょう。
小島さん:結婚後、夫に「寝ている時に息が止まっているよ」と言われたのがきっかけでした。息が急に止まったかと思えばしばらくして少し呼吸して、またすぐ止まる。その状態を毎晩繰り返していると聞いて、初めて睡眠時無呼吸症候群について調べたんです。
振り返ると、独身時代から朝起きても眠いし、休みの日は17時間くらい寝てしまうこともありました。そのいっぽうで、夜は眠れなくなることが。当時はこの病気自体が今ほど知られていませんでしたし、眠りの質は人と比べようもないので、「私はただ寝るのが好きな体質なんだ」と思い込んでいたんです。
── でも実はそれが病気のサインだったんですね。
小島さん:調べていくうちに、睡眠時無呼吸症候群は慢性的な疲労感だけでなく、糖尿病や高血圧、心臓の病気など、さまざまな合併症のリスクがあると知り、怖くなりました。
寝ている間に息が止まると、体は命を守るために無理やり覚醒しようとしてアドレナリンを出すらしいんですね。それを夜中に何度も繰り返すため、寝ているはずなのに体はずっと戦闘状態になってしまう。本来なら副交感神経が優位になって体を休める時間なのに、私は交感神経がマックスのままで、まったくリセットできていなかったんです。
私の父が慢性心不全だったこともあり、余計に他人事とは思えませんでした。朝からすぐに動ける夫に対して、私はずっと「あと5分、あと10分」と重い体を無理やり起こす毎日でしたから。
簡易検査では「異常なし」も、専門病院の診断は
── そこから検査、治療はどのように進んだのですか。
小島さん:約10年前、夫の指摘を受けて最初に受診した際、本来は病院に1泊して睡眠中の状態を調べる精密検査が必要だと言われました。ただ、当時は赤ちゃんがいて入院することができなかったため、まずは医師の判断のもと、機器を借りて自宅で治療を試みる形になったんです。
それが、マスクから空気を送り込んで呼吸を助けるCPAP(シーパップ)という医療機器でした。
ところが、当時の機器は作動音が大きく、赤ちゃんの枕元で使いづらかったうえに、装着時の息苦しさもあって一度断念してしまいました。
その後、育児が落ち着いた頃に再び原因を確かめようと簡易検査を受けたのですが、結果は「異常なし」。それでも夫は「絶対に無呼吸になっている」と言うんです。あとからわかったことですが、自宅用の簡易検査では捉えきれないケースもあるようでした。
── 検査結果が「異常なし」なら、多くの人は「じゃあ仕方ない」とそこで原因探しを諦めてしまいがちですが、小島さんは違ったんですね。そこからどうやって本当の原因にたどり着いたのですか。
小島さん:朝起きた時の体の重さや呼吸のしづらさは消えていないわけですから、どうしても納得がいかなくて。藁にもすがる思いで調べていたときに、鼻の手術を受けた方のブログに出会いました。そこで鼻の骨の形が原因で息が吸いにくくなり、睡眠に影響が出ることがあると知り、「もしかしたら自分もこれではないか」と専門の病院を受診しました。
レントゲンを撮ると、案の定、鼻の骨が出っ張っていたんです。さらにアレルギーで奥の粘膜も腫れており、骨の変形と炎症のダブルパンチで空気の通り道が狭くなりすぎていて。先生に「以前CPAPが合わなかった」と伝えると、「これだけ通り道が狭ければCPAPは合いにくい」と言われ、長年の疑問がようやく腑に落ちました。さらに喉の奥を診てもらうと、他の人よりも組織が厚く、それも呼吸を妨げている原因だとわかったんです。
長年の不調の理由が、ようやく繋がった
── 骨格の問題だったとわかったとき、過去を振り返って思い当たることはありましたか。
小島さん:もともとハウスダストアレルギーがあり、ホコリっぽい現場では鼻炎薬が手放せませんでした。ただ、それは単なるアレルギー症状だと思っていて、普段から鼻呼吸が十分にできていないとは疑いもしなかったんです。
昔からサウナのような密室が苦手だったり、瞑想教室や役者時代の発声練習で「鼻から息を吸う」のが難しかったりしたのも、すべて繋がりました。呼吸の仕方は人と比べようがないので、自分が口呼吸が当たり前になっていることにまったく気づけなかったんです。
── 長年の不調の理由が、ようやくすべて繋がったのですね。
小島さん:「体格的に当てはまらないから関係ない」と思い込まず、諦めずに原因を探し続けて本当によかったです。自分の体の構造が理解できて、苦しみの謎が解けました。これらを取り除けば長年の不調から解放され、私の健康人生は変わるかもしれない。そう期待して、手術を受ける決意をしたんです。
取材・文:西尾英子 写真:小島可奈子

