児童劇団のステージにて。楽しそう
 橋田壽賀子脚本の人気長寿ドラマシリーズ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で10歳から12年間、“加津ちゃん”こと野々下加津役を演じていた宇野なおみさん(36歳)。かつて“天才子役”と呼ばれた宇野さんは現在、フリーライター、エッセイストとして活動中です。

 そんな宇野さんが30代女性として等身大の思い、ちょっとズッコケな日常をお届けするエッセイ連載。今回は「メンタルの飼いならし方」について綴ります(以下、宇野さんによる寄稿)。
◆今でこそ元気だけど…本質は落ち込みやすくネガティブ

 マルつけされたプリントに「はなまる」がついていると嬉しくなかったですか?

 それはきっと、今も同じはず。

 皆様、ごきげんよう、最近20年来の友人とさらに仲良くなりつつある宇野なおみです。体調を崩してのたうち回ったり、デカい落とし物を連発したりと、後厄にもほどがあるだろうという日々ですが、なんとか元気にくるくる回りながら生きております。

 今でこそ元気! やる気! 熟睡! メンタル強め! という感じのわたくしですが、実は昔は大変繊細でした。いえ、自認としては未だ傷つきやすいガラスハートですけれども、「お前のメンタルは極太」とよく言われるもので……。ごくぶと、て油性マジックじゃあるまいし。

 私の本質は落ち込みやすく、ネガティブ。昔はよく登校拒否をして、母と学校を困らせておりました。高校も中退者ですしね。

 今回は、落ち込みメンタルをどう「飼いならしているか」のお話です。

◆元子役の”全能感”から”絶望感”への悲しき転身

 昔むかし、幼きわたくしは、根拠のない全能感に満ちておりました。前回、子役デビューの話をしましたけれども、 芝居を始めたことでそれは顕著になりました。

 セリフも動きもすぐ覚えられる。理解力が高かったので 、修正にも対応しやすかったですし、空想の翼がばっさばさしていたので、アイデアもそこそこ試せます。

 おかげさまでのびのび過ごしていた子どもでした。子役時代のことを書くにあたって写真を掘り返したのですが、どれもこれも幸せいっぱい! という顔をしております。

 さて、そんなんを平成初期〜中期の公立小学校に置いてみますと……どうにも馴染まない。

 団体行動を乱すタイプではないのですが、そもそも発想が人とずれているし、マイペース。学校になじみ切れないという、子役あるあるもしっかり経験しているんですよ。

 IKEAの家具を組み立てるとき、ネジのサイズが微妙に違うと穴もネジも痛むでしょう? あんな感じです。

 高学年になり、渡鬼の放送で出番が増えてきたころだったでしょうか、急に人の目が怖くなり、自己否定、絶望感のターンに入ります。

 おりしも周りは思春期の時期、「同年代より先に大人の世界に入ったものの、当人は本の虫」だった私は、学校という世界では微妙な異物だったのです。モンスターでもなければ、救世主でもヒロインでもない。

 今思うと、たいしたことじゃなかった。自己研鑽のもと、性格や行動の改善を試みればよいものを、本来がめんどくさがり属ナマケモノ科。くじけて学校に行かなくなる、というサイクルをしばしば起こしていたわけです。

◆外に出さなければ自認はオスカルでも問題ない

 そんな「異物感」を抱えたまま大学生、20代、就職をしないまま留学し、帰国。フリーランスという名のフリーター生活を送る中、ふと、「あれ、周りの目ってそこまで気にしなくていいのか」と思うようになりました。

 もちろん、褒められたら、好かれたら嬉しいです。でも、無理はしょせん続かない。非人道的行為や、悪意ある行動をしない、善き人でいるように努めることはできても、人様の評価をどうこうはできない。