不調と言われるバルセロナの中で唯一気を吐いているのがFWハビエル・サビオラだ。リーガ再開となったヘタフェ戦ではノーゴールだったものの、前節のエスパニョール戦で1ゴール、国王杯アラベスとの2試合では5点と計6ゴールをマーク。年明けの試合からバルサが記録した7ゴールのうち実に6ゴールをサビオラがマークしている。まさに孤軍奮闘といった活躍。そして彼の活躍は今後の契約交渉にも影響を与えそうな勢いだ。

 昨夜のアラベス戦ではハットリックを決めその存在価値を改めて証明してみせたサビオラに、ライカールト監督も試合後の記者会見では次のように称賛の言葉を送っている。

「サビオラは格の違いを見せつけたね。彼は素晴らしいメンタルの持ち主だし、それが良い結果となって現れている。スタメンをはれるという結果を残し、様々な得点パターンがあるということも証明している。第2のセンターフォワードというところまできているね。チームで一番好調かどうかは評価する人によると思う。彼はまだ選手として成長する伸びしろというものを持っているよ」。

 サビオラの活躍にクラブ側も“サビオラ放出”というプランの変更、つまり“契約延長”を検討する姿勢も見せ始めている。

「サビオラは良く機能しているし、チームでうまくやっている。その姿勢も素晴らしい。それは評価しているし、検討材料にもなる。全てが変わる可能性もある。ただ、どんな交渉にもスポーツ面と財政面という2つの側面がある」。

 これまでかたくなに“サビオラ放出”という態度を貫いてきたチキ・ベギリスタインTDもその態度を軟化させている。サビオラはバルサファンから愛されており、結果を残すサビオラを放出するとなるとファンも黙っていないはず。

「今は調子もすごく良いし、今の良い流れを最大限活かしたい。これからもチームために、そして応援してくれるファンのためにがんばるだけ」と奢ることなく先を見つめるサビオラ。バルサに残るのか、それとも違う道を歩むのか、今シーズン終了後のその先は不透明なサビオラだが、今の好パフォーマンスを見せ続け、結果を残していけば、その道は大きく切り開かれるに違いない。

(スペイン通信)