15日に正式に就任したパリ・サンジェルマン(PSG)のル・グエン新監督にフランスのサッカー専門サイト「フットボール365」がインタビューを行なった。

 現役時代に在籍したPSGに監督として戻ってきた感想を求められたル・グエン氏は、「とても光栄。PSGでは7年間プレーし、とても愛着がある」と語った。

 PSGからの監督要請は過去にもあった。今回引き受けたのは「タイミング」と「意欲」の問題という。前回PSGから誘いを受けたのは、2005年のシーズンを終え、4連覇(ル・グエン監督にとっては3連覇)を達成したリヨンを辞めたばかりというタイミング。まだすぐに次の仕事にとりかかる気持ちの整理がついていなかった。国外で経験を積みたいという意欲もあった。しかしスコットランドに出てからは、フランスに戻りたいという気持ちが強くなったという。

 グラスゴー・レンジャースでの監督経験が7カ月というクラブ史上最短期間で終わったことについては、「落胆はまったくない。失敗だったとは思っていない。密度の濃い経験ができ、力をつけて帰ってきた」とポジティブにとらえている。

 そして今回、PSGが2部陥落の崖っぷちに立ったタイミングでの監督就任。本人も「勇気ある決断」と自覚している。シーズン途中でクラブが変わったのは、現役時代にもなかったことだ。「与えられた任務は複雑」としながらも、同時に「チャンス」だとの認識もある。

 「今後の目標」をたずねられたル・グエン監督は、「将来のリーグ優勝、などと言うのは適切でないだろう。1部に残らなければならないという緊急の状況にある」と慎重に答える。「奇跡の解決法も、魔法の杖もない。まずは選手たちを見ることだ。多くの優秀な選手が集まる現在の戦力に頼らなければならない」と当面の課題を語った。冬の移籍市場には過度の期待をかけていないようだ。

 PSGは国内でマルセイユと並び最も注目度の高いクラブ。個々の潜在力は高くても、絶えずプレッシャーのかかる環境では、チームとしてなかなか機能しないことも多い。それをどうすれば結果につなげられるか、よく知っている人物の発言と受け止められる。