バルセロナが不調だ。先日行われたエスパニョールとのバルセロナ・ダービーでは3−1と歴史的大敗。クラブワールドカップ以降のリーガ3試合では2分1敗と勝ち星から見放されているうえ、そのプレー内容も精彩に欠けているといっていい。

 チームの不調を受け、スポーツ紙‘スポルト’がウェブサイト版でアンケートを行った結果、今のバルサ不調の主な理由に『野心の欠如』を挙げる声が最も多かったようだ。そして、バルサのご意見番ことヨハン・クライフ氏も言葉は違えども‘スポルト’の読者と同じ見解を示し、氏の持つ一般紙‘ラ・バンガルディア’の週刊コラム内で伝えている。

「チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を懸けたベルダー・ブレーメン戦(昨年12月5日)で勝利して以来チームの調子は良くない。もちろんあの勝利は一つの目標だったが、シーズンを通しての目標ではない」。

 バルサの不調はベルダー・ブレーメン戦から始まっていると指摘したクライフ氏。確かにベルター・ブレーメン戦後のバルサのリーガでの結果は1勝2分1敗。対レアル・ソシエダ戦での1勝も1−0での辛勝だ。現在、勝ち点35でリーガ2位につけるバルサ。リーガ上位4チームは勝ち点4差以内にひしめき合っているが、バルサがアトレティコ・マドリー、ヘタフェ、エスパニョール戦で勝ち点9を獲得していれば、タイトル争いはセビージャとの一騎打ちになっていただろうし、レアル・マドリーといったライバルの不調をバルサが活かせなかったのは残念だとクライフ氏は語る。

「ケガ人、出場停止、過密日程とはいえ、ここ最近の5週間で見せた以上の力がバルサのベンチにはある」。

 バルサのチーム力に太鼓判を押すクライフ氏は「バルサの選手にとって今のスケジュールはきついはずだし、エスパニョール戦での敗戦は一撃となった。だが、もう目を覚ますべき時だ。まず最初に、選手一人ひとりが同じ方向を見つめること。同じ気持ちを持つことだ。エトーやメッシの復帰を望むことは妥当ではあるが、必要以上のプレッシャーにもなり得る」とコメントしている。

 今のバルサにはハングリーさが欠け、それがプレーに影響し、不調の原因になっているというところか。これまで見せていたパフォーマンスを取り戻し、良い結果を残していくことの重要性を誰よりも感じているのはバルサの選手たちだろう。彼らのリアクションに期待したい。

(スペイン通信)