ACミランのベテランFWフィリッポ・インザーギ(33)が14日、試合終了を待たずしてスタジアムを後にしていたことが判明した。約3週間に渡る長期休暇明けの初戦となったセリエA第19節、レッジーナを3−1で迎撃し、07年白星スタートを切ったACミランだったが、歓喜の輪に“スーペル・ピッポ(インザーギの愛称)”の姿はなかった。

ジラルディーノ(24)とともに2トップの一角として先発出場を果たしたインザーギは2−0で迎えた後半12分、最初の交代枠でMFグルカフ(20)にポストを譲る屈辱を味わった。怒り心頭のインザーギは試合終了を待たずして早々とサン・シーロを後にしたとの事。交代理由を「相手のサイド攻撃に備える為」と説明したアンチェロッティ監督は続けて「まぁ、こういうことはよくある。交代でピッチを去った選手が、その後もベンチ内にいるように義務付けられてはいない。今回の件が雰囲気を悪くする?いや、特に何も影響はないだろう」とコメント、インザーギの身勝手な行動に対し寛容な姿勢を貫いた。

“FW陣の得点力不足”が囁かれる中、年末から調子を取り戻し始めたジラルディーノとは対照的に、公式戦で音沙汰のないインザーギ。「どのクラブでも『自分が重要な選手だ』との雰囲気があったし、そういう状況に慣れていた。ミランにとって(自分が)必要ならば残るし、そうでないようならこの時点で辞める」と語っていたばかりのインザーギにとって、この日の途中交代はどうしても納得できなかったのだろう。


佐藤 貴洋