リヨンがセダンからアルジェリア代表の左サイドバック、ナディル・ベラジを獲得した。契約期間は4年半、移籍金は324万ユーロ(約5億円)。ただし今シーズン終了まで移籍元のセダンにレンタルされる。

 ベラジは2002年にフランスリーグ2部のグーニョンでプロデビューした24歳。2004年からセダンでプレーし、昨シーズンのリーグ・アン昇格(2部2位)に大きく貢献した。今季前半戦でも全試合に出場して2得点を上げ、チームのベストプレーヤーどころか、「セダン史上最強の左」との声もある。

 後方からのオーバーラップや、中央への切れ込み、ロングシュートなど、スピードとテクニックを活かした変幻自在のプレーに注目が集まり、リール、ランスのほか、オランダのアヤックスとPSVも獲得に動いていた。

 冬の移籍市場における最大の補強課題はフォワードだったはずのリヨン。今回のディフェンス獲得は予想外ともいえた。リヨンの左サイドには、フランス代表のアビダルとマルダという不動のコンビがいる。ただし両選手とも国外のビッグクラブから誘いを受けており、来季のリヨン残留は定かでない。将来を見据えたリヨンの今回の補強は、非常に賢い選択、との評価がもっぱらだ。

 ベラジ自身も「苦しんでいるチームをシーズン途中で離れるのは忍びなかった。来季からビッグクラブでプレーすることが確約された状態で、いまのチームで続けられるのは幸せ。今シーズンが終了してチームを離れるとき、セダンがリーグ・アンに残れるようにしたい」と語っている。リヨンに加入した暁には、「ベンチを磨くことに興味はない」とレギュラー獲得に意欲を見せた。