豪州代表が大感激「名誉市民だ」 客席で日台有志の“友情応援”→韓国戦で逆襲 届いた願い「本当にグレート」【プレミア12】
台湾での最終日…叶った豪州の夢
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は18日、オープニングラウンド・グループBの最終日を行い、台湾・台北市の天母球場ではオーストラリアが韓国に2-5で敗れた。この試合中、スタンドで豪州の応援を繰り広げたのが、日本人と台湾人の有志で構成された応援団。豪州チームの関係者が発し続けてきたメッセージが届いた格好だ。
「レッツゴー!! ジョージ!!」という声がスタンドに響いたのは6回、豪州が1-3と劣勢で迎えた場面だ。1死二塁から、この声援に乗せられるようにしてダリル・ジョージ内野手は左前打で好機を広げた。2死後、リアム・スペンス内野手の適時打で1点差に迫り、その後も飛び跳ねながら応援歌を歌って豪州チームを勇気づけた。
実は豪州代表は、公式Xで日本流の応援を豪州に送ってほしいというメッセージを発し続けていた。仕掛け人のエリック・バルナーさんはチームのメディア担当。日本プロ野球の応援が本当に好きで、特に広島のスクワット応援に心奪われている。
「日本の応援はエネルギーにあふれていて、大好きなんだよ。特に広島のファンはクレイジーだね」。豪州は17日に台北ドームで台湾と戦い、台湾流の応援も経験した。「チアリーダーとバンドがいて、すごいボリュームだった。驚いたけど、僕たちにもあればと思ったよ」。豪州でもラグビーやサッカーのファンはいるが、アジアの応援歌のような文化はない。昨年、東京ドームでのアジアプロ野球チャンピオンシップでも日本ファンの“友情応援”を受けていたが、この日も夢が叶ったのだ。
スタンドで応援したグループは、日本人と台湾人で構成されていた。歌っていた応援歌は、ロッテのチャンステーマ。ただ、これは台湾プロ野球の楽天でも使われており、台湾人のファンを巻き込めるものだった。雨が強くなっても、試合後半まで応援を続けた。
台湾の大学で学んでいるという日本人男性は、もともと韓国のプレーを見てみようとこの試合に足を運んだ。その一方で、豪州からのメッセージを見て心動かされ、韓国ファンが多数集まった三塁側から一塁側に席を移した。バルナーさんは「彼らは本当にグレートだよ。名誉豪州市民だよね」。豪州を仲立ちにして生まれた日本と台湾の友情応援に、感慨深げだった。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)