稲村和美氏が兵庫県知事選最後の訴え「ネットで極端な情報が拡散」「県民の皆さんの冷静な判断を信じます」
斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選(17日投開票)に無所属で出馬する前尼崎市長の稲村和美氏(52)が16日、神戸市内で最後の訴えを行った。
稲村氏は選挙戦最終日のこの日、降りしきる雨の中、買い物客などでにぎわう同市内の繁華街・ハーバーランドなどで演説を行った。
記者団に「これからの4年がかかっています。混乱に終止符を打つ。私はやっぱりこれがまず第一歩だと思っています」と決意を語り、県職員の内部告発文書問題や斎藤氏のパワハラ、おねだり疑惑などで混乱した兵庫県政を収拾するとした。
SNSなどでの〝空中戦〟で、異例の注目度を集める兵庫県知事選。稲村氏は「ネットで、極端な情報が拡散をしていると思います。非常に攻撃的になっている。やっぱりそうじゃない、冷静な兵庫県を取り戻したいと思っている」と指摘した。
演説でも「私、今ネットでは極左って言われたり利権の権化みたいに言われたり。どっちやねん…みたいなそんな状態になっている。けれども、尼崎市政を預かっている時だって、右の人からは左と言われ、左の人からは右と言われ…。そうやって市政を運営してまいりました。どんな立場の人も住民。地方行政っていうのは、皆さんの生活を預かる仕事をしているんです。いろんな立場の人と、しっかりと向き合って、よりよい政策を創っていく。これが地方行政に求められている姿」と、声のトーンを上げた。
尼崎市長としての、3期12年の実績を振り返り「今回、かなり荒れた選挙になってしまっている。分断しない兵庫県。違う力を持っている者同士が、ちゃんとつないで力を発揮し合える。簡単じゃないんですよ…だって違うんだから。お互い対立しがちなんですよ。でも、そこを乗り越えて力を合わせられパワーを、私は尼崎市政で実感をしてきたつもりなんです」と強調した。
一連の県政の混乱を「対話努力の不足から始まったと思っています」と、前知事時代の斎藤氏の問題点を指摘した稲村氏。「だから対話と信頼を言うんです。この対話と信頼に、1票を託していただきたい」と述べた。
演説の冒頭で「こんなにネットが影響力を持つ選挙になるとは想像していませんでした。どう考えても正確じゃないだろう…デマと言わせてもらってもいいだろう。そんな情報も飛び交っている。それ以上に、ものすごく攻撃的な表現で、皆さんが言葉を交わす。本当に残念で仕方がありません。それを信じるか信じないか。皆さまお一人お一人、あなたの判断。私は、県民の皆さんの冷静な判断を信じます。私たちの力を信じます」と、県民の〝良識〟に訴えた。
県知事選には稲村氏、斎藤氏の他、前参院議員の清水貴之氏(50)、大沢芳清氏(61)、福本繁幸氏(58)、政治団体・NHKから国民を守る党の立花孝志氏(57)、木島洋嗣氏(49)=いずれも無所属=が立候補している。
(よろず~ニュース・杉田 康人)