入院した際に「准看護師」にもお世話になりました。「正看護師」と仕事内容は変わらないように見えましたが、給料は変わるのでしょうか?

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入院中にお世話になる看護師ですが、同じ看護師でも「正看護師」「准看護師」という異なる資格を持っています。中には准看護師にもお世話になって、正看護師と仕事内容は変わらないように思えるため、両者の給料がどれほど変わるかについて疑問に感じる方もいるでしょう。 そこで今回は、正看護師と准看護師の違いについて調べてみました。准看護師が正看護師になる方法もご紹介しますので、参考にしてみてください。

准看護師と正看護師の違い

保健師助産師看護師法によると、准看護師と正看護師の定義は以下の通りです。
・第5条
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
・第6条
「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
両者とも傷病者などに対して療養上の世話や診療の補助を行う点では変わりませんが、免許を発行する機関と業務の権限において違いがあることが分かります。
正看護師の免許は厚生労働大臣から、准看護師は都道府県知事から与えられます。正看護師は自らの判断で業務を行えますが、准看護師は医師や正看護師の指示が必要です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、正看護師になるには、「中学を卒業して5年一貫看護師養成課校に通うか、高校卒業後、看護大学・看護短期大学・看護師養成所(看護専門学校など)で4年あるいは3年の専門教育を修めたのち、国家試験に合格」することが必要です。
これに対して准看護師は「准看護師学校や看護高等学校を卒業し、都道府県の試験に合格すると准看護師の免許が交付」されます。
 

准看護師と正看護師の給料

准看護師と正看護師の給料の違いについては、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考にできます。同調査によると、両者(企業規模10人以上・役職者を除く)の平均年収は以下の通りです。

・准看護師:401万8800円(男性:426万400円/女性:399万700円)
・正看護師:488万9000円(男性:508万4500円/女性:486万7300円)

勤務先や夜勤の有無などで年収額は異なってきますが、平均年収を比較してみると、准看護師よりも正看護師のほうが年収は87万円ほど多いことが分かります。これには、准看護師は自らの判断で業務が行えないためキャリアを積むのが難しいことが関係していると考えられます。一方で正看護師は、管理職に昇進できるなど、キャリアとともに年収アップも狙える立場です。
 

准看護師から正看護師になるには?

准看護師として働きながら、正看護師になることも可能です。看護師資格は看護師学校養成所に通って取得しますが、学校によっては定時制や通信制があり、仕事のスケジュールを考えたうえで看護師の勉強ができます。
准看護師から正看護師になるルートはいくつかあり、准看護師試験合格後に看護師学校養成所に通って資格取得を目指す方法が一般的です。中卒者の場合は、准看護師試験に合格した後、3年以上の実務を経てから看護師学校養成所に通って、国家試験に合格することで看護師資格を取得可能です。
看護師資格の取得には、全日制の看護師学校養成所で2年、定時制の場合は3年かかります。通信制の看護師学校養成所で看護師資格取得を目指す方法もありますが、受験要件には実務経験7年以上が求められています。
 

基本的な仕事内容は同じでも「准看護師」と「正看護師」には免許を与える機関や業務の権限、給料など違いがある

准看護師と正看護師の仕事内容は基本的に同じですが、両者には免許を発行する機関と業務の権限において違いがあります。正看護師は厚生労働大臣から与えられる国家資格で、自らの判断で業務を行えます。一方で准看護師は都道府県知事から資格を与えられ、業務を行うには医師や正看護師の指示が必要です。
給料については、正看護師の平均年収は488万9000円、准看護師は401万8800円と、87万円ほどの差があります。准看護師として働きながらでも、看護師学校養成所に通って、看護師資格を取得できます。准看護師から正看護師になることで、将来のキャリアアップや年収アップにつなげられるでしょう。
 

出典

e-Govポータル法令検索 保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号) 第一章 総則 第五条、第六条
厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET) job tag 看護師
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー