イングランド代表のキャプテンFWハリー・ケイン(バイエルン)がUEFAネーションズリーグ前に辞退者が相次いだことに対し、クラブより国を優先するべきだと苦言を呈した。アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』が伝えている。

 イングランドサッカー協会(FA)は11日、GKアーロン・ラムズデール(サウサンプトン)、DFトレント・アレクサンダー・アーノルド(リバプール)、DFレビ・コルウィル(チェルシー)、MFフィル・フォーデン(マンチェスター・C)、MFジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・C)、MFコール・パーマー(チェルシー)、MFデクラン・ライス(アーセナル)、FWブカヨ・サカ(アーセナル)の8選手が辞退することを発表。さらに追加招集されたDFジャラッド・ブランスウェイト(エバートン)も13日に辞退となり、離脱者は9人となった。

 ケインはこの異例の事態について「今週は残念だ。確かにシーズンの厳しい時期ではあるが、それが少し利用された面もあるかもしれない。正直に言えば、好きではない」と述べ、「イングランドは何よりも大切で、クラブの事情よりも優先されるべきだと思う」と主張。今夏のEURO2024終了後まで8年間指揮を執ったガレス・サウスゲート政権時を振り返り、代表チームにおける結束の重要性を訴えた。

「イングランド代表でプレーする喜びを感じることが大切だと思う。サウスゲート監督がそれを取り戻してくれた」

「イングランドが何よりも大切だ。クラブよりもイングランドが優先されるべきだ。イングランドでプロのサッカー選手としてプレーすることが何よりも重要であり、ガレスはそれに厳しかった。特定の選手に対しても、必要な時にしっかりと決断を下していた」

 リー・カーズリー暫定監督が率いるイングランドはリーグB・グループB2で4試合を消化し、3勝1敗(勝ち点9)で4チーム中2位。14日にアウェーで首位ギリシャ、17日にホームで3位アイルランドと対戦する。

 一部ではクラブが選手に辞退を促したという見方もあったが、カーズリー暫定監督は「間違いなく違う。我々は全てのクラブ、特にメディカルチームと良好な関係を築いている」と否定。「代表選出時に疑問のある選手は大きなスカッドにして対応し、評価後に送り返している。問題はない」と説明している。

 また、個人的に不快に感じたかどうか問われると、「全くそうは感じていない」と答え、「歴史的に、11月は辞退者が多く出やすい時期だ。今回のメンバーにとっては誇らしい瞬間だ。辞退した選手よりも、ここにいる選手に注目している」と語った。