どんな状況でもベタピン寄せる!アプローチのコツをプロ3人が解説
球筋や球質をアレンジしないとピンに寄らない状況が多々あるのがアプローチの難しいところ。しかし「寄りにくいから……」と最初からあきらめてミスしてしまうならプロの必殺技でベタピンにトライ!
状況の見極め方や成功の秘けつがスコアメイクに必ず役立つぞ。
「卓球のドライブ打ち」でボールに急ブレーキがかかる!
クローズスタンスでインサイド・アウトに振る
アプローチでバックスピンをかけて球を止めたいときは、フェースに球を乗せて打つことがポイント。卓球でボールにドライブをかけるときのようなイメージで、ボールを包み込むように、少しこすり上げる感じで球をとらえます。
アドレスではフェースを開き、右足を少し引いたクローズスタンスで立って、ボールは左足カカト前。速く振ってボールを強く突っつくのではなく、インサイド・アウト軌道でやさしく拾い上げ、ボールがゆっくり飛ぶイメージをもつとうまく打てますよ。
ボールを包み込むようにフェースに乗せる
卓球でドライブ回転をかけるときのイメージでボールを包み込むようにこすり上げ、フェースに球を乗せる
クローズスタンスでボールは少し左寄り
右足を少し引いて立ち、ボール位置は左足カカト前。フェースは少し開こう
手元と重心「低く」+手首「やわらかく」が“ふんわりロブ”の極意!
ヘッドがボールの下をくぐるようにSWのバンスを滑らせる
バンカー越えでピンが手前といった状況では、ふんわりと高く上がるロブショットでピンそばに止めたいですよね。私の場合、この“ふんわりロブ”を打つときはセットアップを大きく変えます。サンドウエッジのフェース面が真上を向くように開いて、ボールを左足カカトの内側にセット。ワイドスタンスにしてヒザを深く曲げたら、体の重心だけでなく、手元も低くすることがポイントです。
そして、グリッププレッシャーをソフトにして、手首をやわらかく使いながらゆったり大きく振る。インパクトでヘッドがボールの下をくぐるようにバンスを滑らせましょう。
ゆったり大きく振る
フォローでシャフトが立つように手首を返し、前傾姿勢を保ちながらスイングする
〇 スタンスは広め
ワイドスタンスにすると、ヒザを曲げやすく重心を下られる。手元を低くするのがコツ
✕ 体の重心が高い
重心が高かったりフェースの開き方が不十分だと、ボールが高く上がりきらない
球の転がりを多くするときは
ボールの近くに立ってインサイド・アウト!
通常(左):通常のピッチ&ランはライ角どおりにクラブをセットしインサイド・インに振る
ラン多め(右):「いつもよ球の近くに立ちアップライトに構えます」(山田)
ピンがグリーンの奥にあるときに役立つテクニック
ピッチ&ランで寄せる場合、ピンがグリーンの奥にあると突っ込みきれずにショートしてしまうことがよくありますよね。私はこのようなケースでは、球の転がりを多くする(ランを長くする)というテクニックを使います。
ポイントは、ボールの近くに立ち、ややインサイド・アウトに振ること。フェースを返しながらフォローでクラブをアウト(外側)に出すと、ボールにフック回転がかかり、通常より転がりが多くなります。反対に、カットに振るとスライス回転がかかってしまい、打球がピンのかなり手前で止まってしまうので注意しましょう。
カット打ちはNG
アウトサイド・インに振るとスライス回転がかかり、打球が高く上がりすぎたり、ランが短くなったりしてしまう
ハンドファーストに構えて手元を先行させる
ボールを右足親指の前に置き、ややハンドファーストに構えたら、インパクトでその形を再現するように手元を先行させて打つ
いかがでしたか? この記事を参考に、アプローチを上達させていきましょう!
中島啓太
●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177㎝、75kg。22年にプロ転向。23年はルーキーイヤーで国内ツアーの賞金王になり、今季は欧州ツアーに参戦し、1勝をあげている。パリ五輪にも出場。フリー。
清本美波
●きよもと・みなみ/2005年生まれ、愛知県出身。153㎝。昨年、合格率3%という狭き門のプロテストをトップで合格。ルーキーイヤーの今シーズンは、レギュラーツアー出場6試合目で予選を通過。ジェイテクト所属。
山田彩歩
●やまだ・さほ/1998年生まれ、北海道出身。157㎝。7歳からゴルフをはじめ、21年のプロテストに合格。得意クラブはアイアン。2 4 年シーズンは、ステップアップツアーのフンドーキンレディス9位。フリー。
構成=鈴木康介、小山俊正
写真=田中宏幸