2022年に破綻し、2024年10月に破産処理計画の承認を受けた仮想通貨取引所「FTX」が、資金回収のために多数の訴訟を起こしています。新たに、同業の取引所であるBinanceに対して、過去に不正送金された17億6000万ドル(約2710億円)を返金するよう求めていることがわかりました。

FTX Sues Binance, Former CEO Zhao Seeking $1.8 Billion Clawback - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-11-11/ftx-sues-binance-former-ceo-zhao-seeking-1-8-billion-clawback

FTX sues crypto exchange Binance and its former CEO Zhao for $1.8 billion

https://www.cnbc.com/2024/11/11/ftx-sues-crypto-exchange-binance-and-its-former-ceo-zhao-for-1point8-billion.html

After Anthony Scaramucci, FTX Sues Binance And Ex-CEO Changpeng 'CZ' Zhao To Reclaim $1.8B Amid Bankruptcy Tussle - Benzinga

https://www.benzinga.com/markets/cryptocurrency/24/11/41873479/after-anthony-scaramucci-ftx-sues-binance-and-ex-ceo-changpeng-cz-zhao-to-reclaim-1-8b-amid-bankruptcy-tussle

FTXは2019年創業の仮想通貨取引所で、大手と呼ばれる規模を誇りましたが、2022年11月11日、連邦倒産法第11条の適用を申請して、事実上破綻しました。ただし、ビジネスで失敗したわけではなく、創業者らが会社から多額の「個人融資」を受けていたことから、事故的なものではなく犯罪行為だという指摘があります。

仮想通貨取引所「FTX」の崩壊は事故ではなく「犯罪」 - GIGAZINE



by Bybit

創業者のサム・バンクマン＝フリード被告人は2022年12月にバハマ警察に逮捕され、2024年3月に禁錮25年の判決を受けましたが、控訴しています。

崩壊した仮想通貨取引所FTXの創業者サム・バンクマン＝フリードに禁錮25年の判決 - GIGAZINE



FTXの破産案件を扱うデラウェア州連邦破産裁判所に提出された訴状によると、FTXは仮想通貨取引所・Binanceと創業者で前CEOのチャンポン・ジャオ氏から17億6000万ドルを返還してもらうための訴訟を起こしたとのこと。

Binanceやジャオ氏は2021年、FTXへの投資をやめるにあたって、FTX株の20％およびアメリカの法人・West Realm Shiresの株式18.4％をFTXに売却しました。この際、株式の買い戻しはFTXの関連会社であるアラメダ・リサーチが担当し、取引トークンやステーブルコインで支払いが行われています。

訴状では、アラメダ・リサーチは取引を行う時点で支払い不能な状態にあり、バンクマン＝フリード被告人とBinanceおよびジャオ氏の間で行われた取引を「建設的な詐欺的取引」だったと表現しています。

Binanceの広報担当者はニュースサイト・Benzingaに対して「FTXの主張には根拠がなく、断固として自分たちを守ります」と述べたとのこと。FTX側はコメントを発表していません。

なお、FTXはBinanceを訴えるのに先立ち、第一次トランプ政権で広報担当を務めていたアンソニー・スカラムーチ氏や、スカラムーチ氏のヘッジファンド・SkyBridge Capitalなども訴えています。

FTX Sues Scaramucci to Recoup Money for Creditors - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-11-09/ftx-sues-scaramucci-to-recoup-money-poured-in-showy-investments